11 / 54
もう一度店へ
取りあえず先に店のあるマンションへ行くことにした。三木に連れられて行ったから行き方は何となく分かるけどあやふやだった。
まあ、それから店出たのはあの木戸に連れられてだったし。よく覚えていない。
とりあえずなんとなく、覚えている範囲の道を行ったら。すぐに見つけられた。相変わらずに怪しい店だ。
店長は相変わらずにこやかで物腰が柔らかい。というか、この前は気が付かなかったけれどもどことなくカマっぽかった。
俺がまた、やる気になったらいつでもきてね。とか言ってたけど…。
嫌だし。なんか、俺が本気でやるなら、マジで予約が他に入ってたらしい。木戸の他にも…。いや、よかったよ。やんなくて。
お金にはなるけど嫌だし。
店を出た時には、辺りが真っ暗になっていた。あまりにもお腹が空き過ぎてなにも感じなくなってたけど、これじゃ身体に良くないよな。
……さて、何を食べようか?と、思いながら歩いていた。すると、後ろから声を掛けられた。
「ねえ、君さ、ちょっと聞きたいんだけど?」
振り返ると見知らぬ大柄な男がいた。若い風を装ってるけど20代後半ぐらいな感じの男だった。
「何です?」
がっしりしてて、ちょっと怖いので少し丁寧に言って見た。その男はにっこりしながら言った。
「ねえ、君さ、ちょっと聞きたいんだけどさ?いい?」
その男はまた同じ事をくりかえして、俺の右手首をぐっと掴んで、歩きだした。
「何?何ですか?なんか用ですか?」
この男が全くなにをしたいかわからない。なんか、脅されるんだろうか?お金なんてもってないよ。あ、さっき貰った給料があるけど…。でも…。
手首をぐいぐい掴まれてひっぱられるのでものすごく痛い。
「あの…ちょっと、待って。痛いんですけど」
「待ってね、すぐ終わるからさ」
横にすぐある、公園に引きずられながら連れていかれる。これってやっぱり?お金か何か脅し取られるってやつ?
逃げようと思ったら、いきなり抱き付かれてキスをされた。
…え……。
「…オマエさ、ウリやってる子だろう??」
「……何言って??」
「あの建物入ってから、ずっと、見てたんだよ、あそこでお前みたいな若い男が、出入りするなんてあのウリやってる店ぐらいだし」
「……ちがう…」
「嘘つくな」
いいからこい、と、いきなり、木の下に身体をねじふせられた。
「だからいいだろ?俺にもやらせてくれても」
ナニ??
コイツハナニヲイッテルンダ???
.
ともだちにシェアしよう!