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「…………」
しかしつぐみは黙り込んで、なぜか泣きそうに顔を歪めた。
「どうした、みぃ?」
「だって俺、我慢できないんだもの……」
「え、」
「俺、周さんのこと好き過ぎて、これ以上一緒に居たら、触るの、我慢できない……」
トクリ、と心臓が強く鳴った。周はつぐみの腕を強引に引く。
「わっ」
バランスを崩したつぐみが周の元に倒れ込んだ。
「周さん……っ?」
「……我慢、しなくていい」
顔を上げたつぐみにそう告げると、途端に眦が染まった。
「俺もみぃが好き過ぎて、」
言いながら、周はつぐみの顎先を掴み、唇を寄せる。
「もう、我慢できない……」
「ん……っ、」
目の前のつぐみの瞳が大きく見開かれた。両手のひらでその顔を挟み込み、角度を変え、深く口づける。
「あ……、俺、もう……、絶対、最後まで、止めらんないから……っ、」
舌を絡め合いながら、つぐみが途切れ途切れに言葉を漏らす。
「ああ、俺も、だ……っ」
口端から零れる唾液をそのままに、お互いを貪る。胸の奥から全身に、じんじんと痺れるような熱が広がっていった。
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