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sunrise 7
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「.......巡査、●●警察署勤務を命ずる。
以上、初任科長期第152期総員20名。
代表 岡田昴巡査」
「はい!」
とうとう、この日を迎えてしまった。
長期学校生の配属先が一人一人読み上げられて、卒業考査で1番だった学校生が卒業証書を代表で受け取る。
壇上にあがるその足は、機敏で軽やかで。
なんかさ、僕がソワソワして落ち着かない。
昴がとうとう卒業する。
あまりにもシャインに似すぎていて、心が震えたあの日から。
初めて会ったのもこの講堂で、一人前になってこの講堂から巣立って行く。
早いなぁ、10ヶ月。
色々あったし.......な。
もどかしくて、切なくて、それを乗り越えてしまったら、幸せが欲しくてたまらなくって......。
僕はもうこれ以上、心を揺さぶられる経験をすることは、ないかもしれない。
「初任科長期第152期総員20名!
10ヶ月間、お世話になりましたー!!
教官!ありがとうございましたっ!!」
昴の覇気のある号令で、学校生だった彼らの制帽が一斉に宙を舞う。
懐かしいなぁ。
僕たちもやった、コレ。
僕は、昴たちのキラキラした希望やエネルギーも一緒に宙を舞っているみたいで......。
つい、その光景に見とれてしまったんだ。
講堂の外に出ると、卒業した学校生は入り口で写真を撮ったり、同期と笑いあったり。
泣いて仲村にお礼を言う大輝とか。
半田が、稔と弘海と一緒にわちゃわちゃしたりして。
そんな光景を見てると。
入校式のあの日は胸が高鳴っていたのに。
今は.....寂しい.....かな......。
「メグム........菊水教官!!ありがとうございました」
昴の声に、僕は振り返った。
「おめでとう、岡田巡査。
あと....もう僕は君の教官じゃないよ。
昴、今日から君は、学校生じゃない。
ちゃんとした警察官だよ」
「教官はいつまでたっても教官でしょ?」
「......忙しいところだけど、楽しいし。
勉強になるから......昴なら、大丈夫。
頑張って」
「なんだよ、二度と会えないみたいなさぁ.....。
俺、メグムん家の隣に住むんだよ?」
「......知ってるよ.....」
「1番で卒業したし、俺、メグムとの約束守ったからさ。
今度はさ、俺の約束聞いてくれる?」
「.......わかったよ。約束って、何?」
「俺をもっと頼ってくれる?」
「.......お前、僕より年下なのに?」
「関係ないじゃん。約束、守ってよ?」
僕は小さく頷いて、昴の右手を握った。
本当は.....。
引き寄せて抱きしめたかった。
昴の言葉が嬉しくて、今すぐ、その体に飛び込みたかった。
でも......。
「.....昴、警察署の人が待ってるよ」
「うん!じゃ、行ってきます!」
「.....僕も、待ってるから」
「うん、知ってる。またあとで、メグム」
僕の手は名残惜しそうに、昴の手を離す。
まだ、外は寒い。
寒いけど。
......空が高い。
入校式のあの時の空見たいに、高く澄みきっていて。
今日という日は、もうすぐ終わってしまうけど。
また、日が昇って、明日がくる。
警察の旭日章は、昇る朝日とその陽射しをかたどった紋章で。
前を向いて、職務を執行する僕らの誇りみたいに、常に明日を明るく照らすように......。
未来を駆け抜けるんだ。
ーそう、それは。
sunrise。
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