3 / 132
序章:運命のイタズラ 1話
「うぅ...あれ?...ここは...」
目を開けると辺り一面真っ白な空間が広がっていて、白よりももっと白い不思議な空間だった...
そんな空間に僕は、たった一人で立っていた。
雨の中にいて、びしょ濡れだったはずなのに、体はひとつも濡れていなかった...
「なんで、僕はここに...」
『『『吉永羽瑠(よしながはる)さま?』』』
いきなり名前を呼ばれて振り返ってみると、
金髪の美しい女の人が3人立っていた。
「あ...はい。あなた達は...」
『『『私たちは人間の運命と寿命を司る神 三女神モイライです』』』
「...さん、じょ...しん?」
何を言っているのか僕には理解できなくて、 ただ名前を繰り返すことしか出来なかった。
『『『あなたは、2020年4月2日19時15分32秒、飲酒運転による事故に巻き込まれ、天命を終えました。』』』
「.........」
そうだ...僕は...あの人に裏切られて 車に轢かれて死んだんだ...
「...っ....っ....」
思い出しただけなのに涙が止まらない。
死んだことよりもあの人に裏切られたことが
悲しくて、胸が...苦しくて...
張り裂けそうになった...
「...っ...大好きだったのに...
ずっと信じて...っいたのに...」
とめどなく溢れるこの想いを、どこにぶつければいいのか分からなくて、僕はただ涙を流すことしか出来なかった...
ともだちにシェアしよう!