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16話

僕たちはクラスを確認して、教室に向かった 「俺ら、同じクラスだったな」 「1-Sだっけ?」 僕たちはSクラスだった。 九条学園では、上からS→A→B→C→D→E と6つのクラスに分かれる。 主に、学力や能力によってクラス分けが行われ ている。 学力はそのままの意味で、頭の良さだけど、 能力には身体能力以外にも、家の能力も 関係してくる。簡単にいえば、 親が金を持ってれば持っているだけ、 上に上がれるってこと。 特待生の僕たちは無条件にSクラスだった。 「なー。羽瑠ー。」 「何?」 「学校終わったら、ゲーセン行こうぜ!」 「えー、またー?この間行ったばっかじゃん!」 「いいだろー、部活始まったら行けなく なるんだからよー!」 「んもー、しょうがないなー」 「よっしゃー!!」 そんなたわいもない話をしながら、 僕は教室の扉を開けた... 【ガラッ】 『......』 僕が開けた瞬間、話し声が無くなり、 シーンとした空気になった...。 それから、ヒソヒソと話す声が、 嫌でも聞こえてきた。 『あれが、九条様に嫌われたやつだよ。』 『まだ居たのかよ。』 『良い根性してるよな笑』 僕を嘲笑う人。 『庶民と同じクラスだなんて嫌だわ。』 『特待生枠を廃止して欲しいものよね。』 『早く消えてくれないかしら。』 僕の存在を嫌う人。 そんな人たちしかいないこの場所は、 今も昔も、僕にとっては苦痛でしか無かった.. 【バンッ!】 「うるせー。」 『......。』 翔が、凄い威圧で言うもんだから、 僕も驚いてしまった。 でも、嫌な声は何も聞こえてこなくなった... それから翔は、僕を引っ張って、 席へと連れていった。

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