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18話

靴を履き替えると、玄関には見たことのある 車が止まっていた。 「翔。あれ...」 「...こりねーな。」 すると、車から中年の男の人が降りてきた。 「翔坊っちゃま。 今日こそは乗っていただきますよ。」 翔坊っちゃま?って驚いたでしょ? 実はね、翔はれっきとしたお金持ちなんだ。 お金持ちじゃない。大金持ち。 でも、翔は親の力で学校を決めるのが嫌で、 サッカーの実力だけでこの学校に特待生として 入ったんだ...本当に凄いよ... 僕とは、名字もそうなんだけど、 父親同士の繋がりで幼い頃から 仲が良かった... で、翔を坊っちゃま呼びしたのは、 翔の執事の柳田さん。 翔と僕は自転車通学なんだけど、 一応、跡取り息子だから車通学にして欲しいらしくて、このやり取りを何年もしてる笑 もう、見慣れた光景なんだよね笑 僕は、1人で通うって言ってるんだけど、 翔は断固として許してくれなくて... 理由はまだ分かってないんだよね... とりあえず、危ない。しか言わないんだもん.. 「柳田。俺は自転車で帰る。」 「坊っちゃま〜泣」 「坊っちゃまって呼ぶな。恥ずかしいだろ!」 「翔坊っちゃま。どうされますか?笑」 恒例の坊っちゃま呼びのやり取りが面白くて、 僕も呼んでみたら、凄い威圧で睨まれた。 怖い怖い。笑 「...しょうがねーな。今日は車で帰るよ。 あ、教室に鞄を忘れてきたなー。 困ったなー(棒読み)」 「坊っちゃま!おまかせください! 柳田が取りに行ってまいります!」 「おー。頼んだ。」 柳田さんの姿が学校に消えていくと... 「羽瑠。行くぞ!」 そう言うと、翔は僕の腕を掴んで走り出した。 「ん?坊っちゃまが肩からかけていたのは鞄では?...!!あぁ〜またやられてしまった泣」 柳田さんが翔の嘘に気づく頃には、 僕たちは、自転車を漕ぎ出していた...

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