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「な、何をやってる……ッ!」  酔も醒めたのか血相変えるナイトにシーフはさして驚くわけでもなく、ピストンを弛めようともせずに目だけをナイトに向けるのだ。 「あー……っ、見て分かんねえ?こいつと仲良く遊んでたんだよ」 「なあ?スレイヴ?」と名前を呼ばれ、性器で前立腺を擦られればそれだけで言葉すらもでなかった。 「や、め……ぇ……ッ!」 「丁度良かった。ナイト、お前も混ざれよ。……っ、こいつと仲直り、したかったんだろ?」 「シーフ殿……ッ!!」 「ほら、お前に見られてるとこいつも反応良くなんだよ」  血の気の引いたナイトに笑いかけるシーフ。言いながら逃げようとしていた腰を掴まれ、奥深くまで挿入される。やめろ、と言いたいが声にすらならない。  グリグリと亀頭で奥の突き当りを柔らかく押し上げられればそれだけでどうにかなりそうだった。 「ゃ……ッ」  嫌だ、と首を横に振る。見ないでくれ、という言葉はシーフが邪魔をしてまともに発することも出来なかった。 「何が嫌だ?お前の喘ぎ声が煩いからナイトが起きたんだろ。自業自得だ、自業自得……ッ!」 「っひ、ィ」 「シーフ殿、やめ……ッ」 「おっと……止めんなよ。そりゃルール違反だ。そんなにこいつが俺に犯されんの見たくねえってんなら大人しく部屋に帰るなりしたらどうだ?」  何がルールだ、そんなもの存在しない。あんな横暴で一方的なもの気にする方がおかしい。  それなのに、ナイトの顔色が悪くなる。  何かを堪えるように拳を握り締めるナイト。  ――あの夜と同じだ。 「っぅ、あ……ッ!」  なんで帰らないのか。こちらを見ようとしないのはせめてもの気遣いのつもりなのか。  こんな痴態、見せたくもないのに。 「……っ、本当、難儀なやつだなお前も」  楽になりゃいいのに、と呆れたように笑い、シーフはそのまま俺の脚を掴み、更にピストンのペースを上げた。  硬い竿で直腸を犯され、持続的な快楽の波に逆らうことはできなかった。  とろりと溢れる精液と先走りが混ざったような半濁の体液で濡れた性器。そこに手を伸ばしたシーフはそのまま手を上下に扱くのだ。 「っ、ふ、ぅ……ッ!ぅ、んうぅ……ッ!」 「もう声我慢しなくていいってのに、ほら、もっと聞かせろ……ッ」 「や、ッ、ぅ、ひ……ッ!」  グチャグチャと濡れた音が耳の鼓膜を直接犯す。前と後孔両方を執拗に愛撫され、抵抗することも出来なかった。  そこからの記憶は曖昧だった。  酔いが充分回った頭と体では受け入れることしかできず、長い間挿入されていた気もする。  広がりきった肛門の中、どくどくと大量に吐精するシーフの熱に内壁から溶けてしまいそうだった。  満足したのか、性器を引き抜かれた瞬間、どろりと中に溜まっていた精液が溢れる。脚を閉じることもできなかった。 「ッあー……熱……って、おい。なんだ?やる気になったのか?」  指先を動かすことすらも億劫だった。  起き上がることもできず、ソファーの座面に転がったままになっていると視界の隅で何かが動いた。  瞬間、急に体が持ち上がる。  混乱する頭の中、何が起きたのかはすぐに理解できた。すぐ側にあるナイトの顔。  俺はやつに抱き抱えられていたのだ。 「あーはいはい、なるほど?……俺にも見せたくないってわけね。お宅って案外独占欲強そうだもんな」 「……」  ナイトは何も言わない。  どうして、とかどういうつもりなのか、とか。言いたいことは色々あったが声を発する気力もなかった。  人を抱えたまま食堂を出ていくナイトを横目に、どこからか取り出した煙草を片手にシーフは「ごゆっくり〜」と呑気に見送っていた。  体をしっかりと抱き留めるナイトの手のひらがやけに熱く感じた。  まるであのときと同じだ。  どこに行くつもりなのか、酔いも完全に抜けたわけではないだろうが先程よりも足取りはしっからしている。暴れる気力すらなかった。

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