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第一章・15

 まさか名前を呼んでくるとは。  媚薬で朦朧となりながらも、相手が私とは認識しているのか。  わずかに怯んだ指先から逃れ、ルキアノスはギルの胸にむしゃぶりついた。  不意を突かれ、ギルは思わず声を上げていた。 「あ! あぁッ!」  こうして欲しいんだよ、ギル。  こうやって欲しかったんだよ、俺は。  ルキアノスは、ギルの乳首を大きく舐めあげ、唇に挟んで強く吸った。  吸いながら、舌先でちらちらとその頂を掘り起こすように舐め弾く。  ギルの呼吸が、しだいに荒く激しく耳に聞こえてくる。 「っは、ん、ぅ。くッ、うぅ……」  ルキアノスの愛撫に応えて、ギルの下肢は硬く張りつめだした。  みるみる充血してゆく体の中心。   単純に、胸をいじられているからではない。  そうしているのがルキアノスだからという点で、激しく興奮していた。

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