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おまけ話 メタボ解消は是非、運動で
オタマを持って、ニコッよりも、清潔感溢れるエプロンの下が裸なのよりも、キャベツの芯を捨てるフリをして、寄りかかって、ただのスポーツ用のTシャツを素肌に着て、乳首を透けさせながら誘うほうが、数倍やらしい。
「あ、あァァ、ン」
オリジナリティー溢れる郁登の色仕掛けに、空腹なんて感じなくなってしまう。キャベツを千切って、玉葱切ったところで、今日の夕飯作りは中断している。
「乳首、触って欲しかった?」
「あ、ン、そこだけじゃなくて」
「他も? 夕飯は?」
ここで焼そば食べたいって言われても、全然無視するけれど。
意地悪でそう尋ねると、頬をピンクに染めて、桜のお菓子みたいに甘くて美味そうな唇を薄く開いて、フルフルと首を振った。
「いいの?」
「あ、だって……」
「昨日、したかった?」
無言で返答を控えているけれど、潤んだ瞳は「したかった」と答えている。
「俺も」
そう耳にキスをしながら囁いて、ジャージのズボンの中へと手をしのばせる。悲鳴にも似ているけれど、声はちゃんと喜んでいた。
スラックスと違って、ウエストがゴムのジャージはこういう時に、すぐに中への侵入を許してしまう。くちゅくちゅと音を立てながら、掌で包み込んだ竿を扱くと、郁登の細い腰が嬉しそうに揺れていた。
スポーツをするため、動きやすいように作られたジャージには、本来どこにもセックスを予感させるような要素はない。それなのに、すぐに愛撫を許してしまうゆったりした作りが、郁登の身体を包んでいる場合にだけ、とてつもなく卑猥な洋服に思える。
「あ、あ、ダメ、イイ」
どっち? なんて確かめる必要がないほど、郁登の蕩けた表情が気持ちイイと教えてくれていた。
シンクに身体を寄りかからせながら、Tシャツ越しで与えられる乳首への愛撫、それとジャージで熱が篭もるほど扱かれる屹立。ついさっきまでここでキャベツをバリバリむしり取っていたとは思えないくらい、やらしい姿。
キッチンプレイって新婚生活での必須イベントだとは思うけど、郁登との場合はそれが新婚期間限定にならなそうで困る。
準備途中の野菜が乗ったまな板をシンクの中へと移動させて、空いたスペースにジャージを手早く脱がされた郁登を座らせた。
「んっ冷たい」
素肌が、郁登の生の尻たぶが、白いキッチンに乗っている。
「すぐに熱くなるよ」
そしてやんわりと押し広げられて、大きく開いた太腿。サイズの大きなTシャツはちょうどやらしく濡れた屹立を隠してしまう。
でもその先端から快感に反応して滲む先走りは、郁登好みの柔らかい布地にじんわりと染みを作っていた。
「あ、ァ、やァ……」
「やらしい人」
竿を握りこまれると、睫毛を震わせて、目尻に涙を溜める。
「あ、ダメ、汚れるっ」
乳首を指で摘まれると、背中を仰け反らせて、もっといじって欲しそうにその粒を差し出す。
「あ、あァァ……ン」
俺の掌、指の一本一本まで濡らすほど、郁登の先走りを絡めて、Tシャツのもっと奥に隠れて待っている孔に触れた。
少しだけ触れると、驚いたように、でも喜んでいるようにヒクヒクと反応してくれた。まだ閉じたそこへ濡れた指を咥え込ませて、ゆっくりと、焦らすように奥へと進める。
「あ、あァ、ン……や、ァ」
運動で程よく締まった太腿を震わせて、中へと埋め込まれる指の感触だけで、もう限界みたいに息を詰まらせてしまう。
唇で触れるとものすごく気持ちイイ、敏感な内腿の柔肌。舌でくすぐって、唇で吸い付いて、赤い斑点をいくつか付けながら、蕩けた表情の郁登を見上げた。
視線が重なった。たったそれだけで、指で擦られている襞がザワザワと収縮する。敏感でやらしい身体。Tシャツ越しで散々いじられた乳首を、やっぱり直接じゃなく、一枚の布で隔てられたまま、舌で上下に押し潰した。
「あ、ァっ! ン、や、ん」
直接、舌で触って欲しいって、背中を反らせて感じながら身体で訴えている。それを無視して、歯で先端に触れた。もちろん、孔の中を抜き差しして、柔らかく濡れるように刺激する指の動きはそのままだし、開いているほうの手はしっかり硬くなった屹立を音を立てながら扱き続けている。
「あ、あ、ダメ、ここじゃ、健人、ダメ、イくっンン!」
三点攻めに郁登は半分泣くように喘ぎながら、翻弄されていた。
「おしおきって言ったでしょ」
「あ、あ、健人、イく、ダメっ」
首を振っても、快楽の涙をポロポロ零しても、愛撫は止まらない。
「あ、あ、やァっ…………んんんっ!」
二本の指を奥へと引き込むように収縮しながら、入り口で、狭い肉壁で締め付けられた。ビクビクと腰を跳ねさせながら、Tシャツの乳首のところを俺の唾液で濡らされて、ちょうど股間を隠していた部分には自身の精液を飛び散らせている。
「あ、汚れちゃ……」
「汚れてなんかない」
郁登のそれは俺にとって汚れどころか、甘くてトロリとした蜜みたいなもんだ。舌を使って耳朶で遊んでいたら、肩を竦めてくすぐったそうに身を捩りながら、快楽で掠れた声が「変態」って呟いている。
変態で全然いい。
そんな俺と一生共にいるために、この部屋を一緒に探してくれた郁登だってそうでしょ? それにこんな可愛い顔を見せてくれるのなら、変態でかまわない。
「郁登」
「?」
「こっちも食べて」
焼そばの中に入るやつよりも、ずいぶん大きくて、やらしい郁登の姿に痛いくらいに張り詰めているそこ。
「あ、ン」
それが天を仰いで、ヒクつく孔を求めてビクビクとしているのを眺めながら、爽やかさなんてない、妖艶な笑みを浮かべて、脚を腰に絡めて器用に引き寄せる。
挿れて――その言葉と刺し貫いたのはほとんど同時だった。
きつくて狭い郁登のなか。指であんなに柔らかくなったはずなのに、吸いつかれるみたいに誘い込まれて、キュウッと隙間なく密着された。蕩けるほど熱い粘膜は俺が腰を動かす前から収縮して、そのままイってしまいそうなほどの気持ち良さだ。
「降ろすよ」
刺し貫いたまま抱きかかえて、キッチンの床へと降ろす。
「すごい、音楽の先生なのに……」
男ひとりを抱えて、そっと降ろすだけじゃなく。身体を繋げたままの状態になった瞬間、グリッと奥を抉ったのか、郁登がイきそうなほど良い声を上げた。
「恋の力だよ」
恥ずかしい台詞を照れることなく口にして、言われた郁登が可愛い反応をするのを楽しんでしまう。
一日中運動している郁登と違って、音楽教師の俺はメタボ予備軍へ入ってしまわないよう、ちゃんと運動しないといけない。
「あ、あァァァっ!」
一度引いて、更に奥へと先端を押し付けるように、一気に腰を打ちつけていた。
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