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納豆の糸でつかまえて
卒業式に何も言えなかった。
気づいた時には校庭にいなくて、アカウントまで消えていた。
普通、消すか? アカウントまで全部。俺ごと全部。
三年間、途方に暮れながら探し続けて、やっと見つけた。
「本当に縁があったら、また会えると思ってた」
「こっちはぶち切られて納豆の糸くらいしか残ってない縁を必死で辿り続けたんだぞ、ばか」
噛みつくように叫ぶ俺を見て、奴はニッコリ笑う。
「結局、僕は君に絡みつく納豆だったってことかな」
さらには俺の耳元に口を寄せ、甘い声を出す。
「僕たち、今夜はその糸をもっと絡ませあおうね」
こうやって煽ってくるところが昔っから全然変わってなくて、俺はしゃがみこんで頭を抱えながら、うなずいた。
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