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第五章 何だか、切ない……
「ヤだ。ヤだよぉ……。何、これ。気持ち、いいぃ……」
ゆったりと誠に抜き差しされながら、瑞樹はうわ言のような声を上げていた。
あの時と、全然違う。
柔道部の先輩に犯された時と、全く違う。
気持ち悦い。
ただ、ただ気持ち悦い。
そこに、下腹部へ熱いものがせり上がってきた。
「あ、ダメッ! で、出ちゃう!」
勢いよく、瑞樹は精を吐いていた。
あの時以来の、射精だった。
「あぁ、あ……」
温かい精が、自分の腹に広がってゆく。
(叶さんのが、欲しい)
はぁはぁと息を荒げ、瑞樹は自分の気持ちにとまどった。
「何を考えてる?」
「あ、いいえ。何も」
「嘘つきだな」
誠は、抽挿を少し早めた。
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