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第六章・2

 その日の晩、瑞樹は荒々しくベッドに押し倒された。  甘いキスもなく、豊かな前戯もなく、ただ乱暴に貫かれた。 「ッあ! か、叶さんッ!?」 「大人しくしろ!」  あがく瑞の両手首を後ろ手に浴衣の帯で縛り、激しく犯してきた。 「んあぁ! やぁ、だぁ! 叶さん、やめてぇえ!」  それでも感じる、自分の体が呪わしい。  それでも果てる、自分の欲が恨めしい。 「ヤ、ヤだ。ひッ、くぅう! んあぁあ!」  びゅっ、と瑞樹の精が飛び、誠の腹にかかる。  いつもなら、それを微笑ましく受け止めてくれる誠が、冷たくそれを手で拭った。 「元気だな。今回も青いバラは咲かなかったというのに」 「叶さん……?」 「所詮、夢でしかない。自然下で青いバラを咲かせるなんて!」 「あぁあッ!」  再び、猛然と誠は腰を打ち付けて来た。  ひどく揺さぶられながらも、瑞樹は必死で答えていた。 「夢じゃ、ありません! 今度こそ、巧く行きます! だから、だからぁあ!」 「生意気を言うな!」 「叶、さぁあん!」

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