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ぽーっと眺める。 揺れる瞳の奥底から君に何があったのか僕は分かってしまった。 だから、僕は…。 「ねぇ、いちくん。僕といい事しない?」 無い胸を押し付けて、君の胸に飛び込む。上目遣いにそう誘えば、泣きそうな顔しながらコクリと君は頷いた。 ベッドが軋む。 浅い息が部屋中に広がる。 「ひかりっ…ひかり…。」 子供みたいなキス。 こんな風に愛を伝えたのか。 情熱的な声で呼んだのか。 繊細な手で触たのか。 ああ、そうか、そうなのか。 僕じゃない。 君が呼ぶのは、触れるのは、僕じゃない。 「いちくん、大好きだよ。」 「ひかり、ひかっり…。」 滴り落ちる涙は誰のものだったか。僕にはわからない。ただ、この行為になんの意味もない。 「好きだよ、好きだよ。」 不毛な恋だ。 間違いだ。 あってはならない筈の恋だ。 ありえない。 ありえない。 この行為もこの恋も僕自身だって間違えで消えなければならないものだ。 「いちくん、もう僕ーーひやぁぁぁぁ」 「ひかり、ひかり…。」 お互いの精を出し合って僕らは果てた。 隣で眠る君に毛布を掛け、僕はベッドの側に脱ぎ捨てた服を拾った。 「ねぇ、いちくん。知ってる?僕ね、光じゃないよ。残念だけど、僕はね夢なんだよ。」 酷い人。 僕は光じゃないのに。 光と呼ぶ君。 でも、どうせ君には届かない。 僕の恋心なんてものは。 虚しいか…。 分かってたけど、虚しくなるなんてとうの昔に分かってたはずだけど。 「いちくん、おやすみ。」 ドアを開けて部屋を出る。 みんな光、光。 光と僕、何が違うの? …なんて、分かり切ってる。 ただ似せてるだけの僕とオリジナルの光じゃ比べられないほど違う。 クスクスと自虐的に笑う。 ああ、いちくん…。 好きだよ。 嘘じゃないよ。 いちくん、いちくん…。 大好きだよ。 でも、君は光がきっとずっと僕なんかよりずっとずっと光が好きなんだろうね。

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