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七
※閲覧注意(残酷な表現あり)
お昼休み。
僕は一人でご飯を食べていた。少し前まで光と食べていた昼食は光の取り巻きによって邪魔をされた。
僕は光以外に話せる人はいない。友達なんていない。だから一人でこっそり裏庭でご飯を食べていた。これでも寂しいと感じたことはない。
今日なんて暖かい日差しが僕を照らしてくれる。
「あーあ、でもそろそろ寒くなってくるな。流石に冬にこの場所は嫌だなぁ。」
雨が降れば学食で食べる。けど、学食での一人の昼食は少し寂しい。なにより光にバレて心配させてしまったらあの光の取り巻きたちとご飯を共にしなくてはならない。
「そんなの本当に勘弁だ。新しいところ開拓しないとな。」
本当にもう…困ったものだ。
鳥の鳴き声を聞きながら、冬場の昼食場を考える。ぽーっとするくらいの秋晴れに眠くなってくる。
しかし、予鈴が鳴り響いてハッと目を覚ます。
「戻らないと。」
立ち上がって軽く走る。
次は国語だ。
眠たくなる授業に嫌気が差すなと思いつつ、サボるという選択肢はない。
校舎に入り、諦めて歩いていたその時、後ろから腕を掴まれ教室に引き摺り込まれた。
強く掴まれた腕が痛い。それに加えて手で塞がれた口元のせいで苦しくて、少し涙が出た。
「光くーん。一人でこんなところ歩いてたらダメじゃん。」
光?なんで…。
「本当本当。マジで一人でいるとは思わなかったぜ。これであの粋がってる笹舟たちを黙らせられるってもんよ。」
笹舟ってしゅーと君のことか。
なんだ、そうか。
僕と光は間違えられたのか。
…なんでこんな時だけ。
「風紀に見つかる前にさっさとヤろうぜ。」
不良共3人。
これからされる事なんて想像しなくたって分かる。僕は光じゃないって言いたくても口が塞がって言葉が出ない。
汚い男の手が制服のボタンを外していく。
上も下も全部。
「うへぇ、肌しっろ。」
「流石笹舟たちを惚れさせられる身体だ。」
やだ、やだ、いやだ。
気持ち悪い。
僕に触るな。
僕は違う。
違うのに。
いやなのに。
僕の身体を汚していく。
言葉は出ない。
涙が止めどなく流れる。
「もう挿れていいかな?」
「いいんじゃね。笹舟たちとヤりまくってるだろうし。」
やめて、やめて。
汚さないで。
いや、いや!
助けて、助けていちくん。
いちくん。
いちくん‼︎
「うはぁ、きっつ。でもあったけぇ。」
ヌポリと入ったそれは僕を容易に貫いた。腰を振る男を見ながら、ただただ他人事みたいに思った。
光じゃなくて良かった。
綺麗な光じゃなくて良かった。
僕で良かったんだ。
光の付属品で、綺麗じゃない僕で。
誰にも愛されない夢で。
良かったんだ。
ああ、苦しい、苦しいよ。
なんで誰も助けてくれないの?
僕はここだよ。
ここにいるよ。
なのにどうして、どうして?
「うっはぁ…。はぁはぁ、気持ちいい…。」
「おいっ、中出しすんなよ。気持ち悪りぃな。ほらっ、変われ。」
「分かってるよ。」
出て行ったそれはまた次のモノが入ってくる。
終わらない地獄。
一生続く苦しみ。
助けてなんてくれない。
ーー誰も。
僕は光じゃないから。
夢だから。
僕は汚れた。
汚い存在。
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