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眠れる子羊ちゃんとベッドの上の狼くん 7話

「本当に?」 近付いてくる照哉を押しやるように両手で彼の身体を止める。 両手に感じる照哉の肌の感触。はっと、両手の先を見ると照哉の胸を触る形になっていて東雲は慌てて手を引く。 「いや、あの、ワザとじゃなくて」 恥ずかしくなった東雲はベッドから逃げたい衝動にかられた。 ぶはっ、と照哉は笑い出す。 「あはは、東雲可愛い」 笑いながら、東雲の腕を掴み、そのままベッドに押し倒した。 「ワザとじゃないなら、好意があるって事?」 東雲の上に乗り、照哉は彼を見下ろす。 「ちょ、照哉さん、重い」 体重をかけられ、東雲はジタバタと暴れ出す。 「体重かけないと東雲逃げるだろ?」 照哉は本気なのか、それともからかっているのか、東雲には分からない。 「逃げるって…なんで?」 「なんでって?そりゃあ、東雲にキスしたいからだよ」 「はい?」 東雲はキョトンとなる。 キス? 魚の鱚?…んな、わけないよな? 「あまりにも可愛いからだよ、さっきの反応はめちゃツボった」 さっきの反応…胸触った事か?と東雲は思った。 「だって、じかで触ったし」 東雲は自分でも何を言っているのか分からないでいる。 「やっぱ、東雲可愛いー」 照哉は体重をかけたまま、東雲を抱き締める。 肌と肌が触れ合う。 ちょっとーっ!マジすか!何ですかこの状況!  「照哉さん重い!」 なんとか照哉から逃れようと試みるが体力の違いからか無理に近い。 「東雲、またチュウしていい?」 「はい?」 言葉の意味を直ぐに理解出来なくて聞き直すと、照哉の顔が近付いてくる。 良いなんて言ってないのに、なぜに顔が… 「ちょ、照哉さん!待って!」 手で照哉の顔を止める。 「はいって言ったじゃん」 「聞き返したんです!」 「はいははいだろ?」 「違いますって!」 「ダメなん?」 「ダメです!」 「なんで?さっきは頷いたくせに」 「は?」 危うくはい。と言いそうになり、はっで止めた東雲はキョトンとなる。 さっきって…なに? 「さっきって?」  「やっぱ、覚えてないか…まあ、それが狙いだしね」  照哉が発した言葉は東雲の欲しい答えではなく、益々混乱させる。 照哉はじっと東雲を見つめ、見つめられた東雲はどうして良いのかわからず、焦る。 「目、泳いでるぞ」 照哉は笑いながらに言う。 そりゃあ泳ぎますよ! ベッドで重なり合うって同性同士ありえるのか? そもそも…ここって何処だっけ? 「あ、あの…今更何ですが、ここって何処でしたっけ?」 その質問の後、しばらく間が空き、照哉が大笑いする。 「東雲、やっぱ最高ー」 目に涙を浮かべて大笑いする照哉は東雲の上から横に移動して腹を抱えて笑っている。  照哉は笑い上戸だと東雲も知っているが、面白いジョークを言ったわけでもないのに大笑いされるのも複雑だ。 「何か…面白い事言いましたっけ?」  複雑そうな顔の東雲は大笑い中の照哉を見つめる。  「最高だよ東雲は。マジで」  寝転がった照哉が東雲を見つめている。  「何か分からないですが、ありがとうございます」 褒められているのだろうと東雲はとりあえず礼を言う。 「可愛いな。」  照哉の手が東雲の頭を撫でる。  「ちょ、子供じゃないんですよ」  撫でる手を払い起き上がる。  「会長のマンションだろ?インフルエンザでずっとここに隔離されてる」  あっ、そうだ……そうだったな。……記憶がごちゃごちゃ… 「病院とか行ったくせに?」 照哉は東雲の額を触る。 「熱、下がったのか…つまんねえな」  照哉は小さく舌打ちする。  つまんねえって、…何故に照哉はつまらなさそうな顔をするのだろう?  「熱あった方がエロくて可愛いのになあ」  「はっ?エロい?誰がですか?」  「教えてやんねえ~」  照哉はペチンと東雲の額を叩く。

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