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眠れる子羊ちゃんとベッドの上の狼くん 6話
「くだらない事言ってないで寝ろ」
照哉は幸太の頭を手のひらでペチンと叩く。
「ねねねね、寝る?東雲さんと」
真っ赤な顔しながら慌てている幸太。
彼の頭の中はエロでいっぱいなのだ。
「お前、やっぱモモの影響受けすぎ…睡眠の事だ。」
照哉は幸太に毛布を投げつける。
「あ、なんだ…。俺、どこで寝たら?」
毛布をキャッチして質問する。
「リビング」
照哉はリビングの方向を指差す。
「東雲さんの側がいいです!」
「だめだ。」
幸太の背中を押して部屋から無理矢理追い出す照哉。
幸太を追い出して東雲をじっと見つめる。
「あんな可愛い東雲、見せるわけにはいかないからな…」
寝ぼけた東雲はかなりヤバい。
盛りがついた幸太が見たら何するかわからない。
リビングで幸太はムラムラしていた。
声がまだ聞こえている。
「どんだけ体力あるんだよ、あの二人」
毛布をかぶっても乱れた声と音は聞こえてくる。
ムラムラして眠れない。
あんな風に東雲さんと…
幸太の脳内では東雲が幸太をリードして激しい行為を…
「東雲さん…」
ムラムラしぱなしの幸太は一人エッチに再度勤しむのであった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「キスしていい?」
耳元で囁かれた気がして、何となく頷いた。
途端に気持ち良くなる。
ふわりと髪を撫でる手、頬に触れる手の平の熱さ、全てが気持ち良さへと変わってゆく。
「…東雲…」
キスしていい?と聞いてきた声と同じ声が東雲を呼ぶ。
「うん…」
返事を返すと、何度も名前を呼ばれた。
心地よい声。
気持ち良さに息が荒くなる。
何度も荒い息を吐く中、ふと…目を開けた。
薄暗く、目を開けたばかりだからか、よく見えない。
ただ、薄暗い中で呼吸する音が重なって聞こえる。
ひとつは自分。もうひとつは?
耳元で聞こえるようで、顔をそちらに向けた。
ゴツンッ
「いたっ」
おでこに何かがぶつかり東雲は小さく声を上げた。
「わりぃ、大丈夫か?」
ぶつけた額を誰かが撫でてくれた。
この声…
「照哉さん?」
聞き覚えのある声の持ち主の名前を呼んだ。
「ごめん、痛いか?ちょっと待ってろ。」
そう言った後直ぐに薄暗かった場所が明るくなる。
明るさに思わず目を閉じた。
閉じた瞼からも光を感じ、薄く目を開けてみると照哉の姿がある。
近付いてくる照哉はトランクスに軽くシャツを羽織っている姿で、東雲はちょっと疑問になった。
何故、照哉はトランクスにシャツ姿なのだろう?
で、自分は何でシャツのボタンを全部外しているのだろう?
「ぶつけたのはここか?」
照哉は起き上がった東雲の横に座り彼の額に手で触れる。
フカフカなベッドが照哉が座ると深く沈み、反動で東雲の身体は照哉の方へと傾く。
近い!
めっちゃ照哉の顔が近い!
間近で照哉を見た事がない東雲は慌てて離れた。
「どうした?」
首を傾げて自分を見る照哉は可愛く見える。
綺麗な顔立ちなのは初めて会った時から思っていた。
でも、こんなに間近でみて、しかも…何だか目のやり場に困る。
別に女性が裸で居るわけじゃないから照れる理由はないのだけど、他人の裸をジロジロ見るほど、非常識ではない。
「そんなに痛かったか?」
心配そうにまた東雲に近付いてくる照哉。
「だ、大丈夫」
慌ててそう答えた。
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