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快楽
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食べる物が会長が作った料理しかなかったので仕方なく食べた照哉。あくまでも仕方なくだ。
その後、東雲のベッドへ入り込み抱き寄せる照哉。
こうやって抱くのは久しぶり。
東雲の香り。
やわらかい髪にキスして、細い腰に手を回す。
彼の体温を感じると鼓動が早くなる。
やべえ、抱きたい。
火照ってくる身体。
好きと言われたら確かめたくなる。
抱いて、自分のモノにしたい。
でも、東雲は倒れたばかりだから無理はさせたくない。
我慢か?
照哉はムラムラしながら夜を明かす決心をするが、 ぎゅっと手を東雲が回してきた。
「ごめ、起こした?」
照哉の腕の中もぞもぞと動く東雲。
「いえ、起きてました」
「そっか、じゃあ、一緒に寝よう」
照哉は自分の腕を東雲の下へと置く。
「あ、あの……凄く恥ずかしい事言って良いですか?」
「ん?何?」
「………俺、その、勃ってて、あの、どうしましょう?」
少し間を開けて衝撃な事を言い出す東雲。
「はい?」
聞き間違いかと照哉の声は思わずうわずってしまった。
「あの、俺、」
東雲は照哉にぎゅっと抱きつき、
「照哉さんとしたい」
と耳元でそう言った。
えええっ!!!ま じ す か ?
照哉は東雲の下半身へ手を伸ばして触ってみる。
確かにそこは勃起している。
「照哉さん……俺、ヤバい……凄く照哉さんが欲しい」
東雲は照哉にしがみつき、息を荒く吐いて興奮しているようだ。
理性が飛ぶだろ!
照哉も既に身体が熱く興奮していた。
東雲の身体を考えたら我慢しなくちゃいけないのに!
「照哉さんはやくっ」
東雲が大胆に照哉にキスをしてきた。
こんな事をするヤツだっけ?
なんて考えながらも照哉も東雲の口内へ舌を入れた。
キスをしている内に照哉は東雲の上に乗っていた。
荒くキスをして、自分でも止められない。
東雲の服を興奮しながら乱暴に脱がす。
照哉も全てを脱ぎ捨て裸で抱き合い激しくキスをする。
もう理性なんて無くなった。
東雲も照哉に興奮したように抱きついてきて、耳や首筋を吸っていく。
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「薫ちゃん、楽しそうに何見てるの?」
運転席から灯が話かけた。
ドライブだと灯は無理やり呼び出され、後部座席でニヤニヤしながらパソコンを見る会長と2人あてもなく車を走らせている。
「薬が効いてきたみたいでさ、面白い事になってるんだよな」
「薬って?」
「食事に仕込んだ媚薬。小木に貰った」
「マッドサイエンティストの小木さん?」
「そう」
会長はパソコン画像を灯に見せる。
「えっ?照哉くん?」
画像を見て灯は声を上げた。
パソコンの中には照哉と可愛い顔立ちの男性が激しく行為をしている。
「照哉は薬の力無しじゃ手を出せないだろうからな、手伝ってやった」
「照哉くんの相手、誰?」
「照哉の恋人」
「恋人……」
灯は照哉が言っていた告白した相手が彼なのだと分かった。
「薫ちゃん悪趣味!照哉くん知らないんでしょ?撮られてるの」
「恋人に夢中で気づかないさ」
「薫ちゃん、照哉くんを解放してあげないの?」
「しねーな。照哉は籠の中の鳥で良いんだよ、恋人とセックスしながら、俺に無理やり抱かれる……灯は俺に抱かれる照哉がどんなにそそるか知らねえからな」
「ド変態」
「ド変態上等。ところでお前にもやろうか媚薬?」
「えっ?」
「タケルに飲ませろよ」
会長は小さなカプセルを灯の上着のポケットに入れる。
「ちょ、何でタケルさん」
耳まで一気に赤くして慌てる灯。
「一度くらい抱かれてえだろ?」
うん。と思わず頷きそうになり灯はブンブン首を振る。
「こんな感じに求められるんだぞ?」
会長は再度、画面を見せつけた。
画面の中の照哉は激しく相手を抱いており、普段みる穏やかそうな照哉との想像がつかない。
相手の男の子も大人しそうなのに凄く乱れて喘ぎ声を出している。
こんな風に抱かれてみたい………。
灯はごくんと生唾を飲む。
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