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快楽 2話

「お前良く俺とタケルが部屋でヤッてんの覗いてたもんな」 「か、薫ちゃん!」 灯は慌てる。 会長は高校時代からマンション暮らしで、灯も良く泊まりに行っていて、夜な夜な聞こえるいかがわしい声に思春期の灯は覗くなと言われる方が酷である。 「未だにタケルに片思いだから誰と付き合っても長続きしねーんだよ」 「わ、分かってるよ」 「一回ヤッてみるのもいいんじゃね?」 「で、でも、恋人」 「俺は照哉に恋人いよーが抱いてるぜ?」 「薫ちゃんと一緒にしないで!」 なんて言ってみるものの、抱かれたいと密かに思う。 会長はニヤニヤと画面を見入っていて、灯はポケットに入れられた薬をそっと触る。  ******* 「あっ、あっ、てる……やさっ、もっとっ」 愛撫をしている照哉に東雲は抱きつきながら荒々しく息を吐く。  自分でも不思議だ。  こんなに大胆だったっけ? 男とセックスをするのは初めてで怖いはずなのに、照哉が欲しくてたまらない。 ベッドに照哉が入って来る前から興奮したように自分のモノが勃起してきて、どうしようかと思った。  照哉がそばに来たら、もう押さえきれなくなって、照哉につい、おねだりをしてしまったのだ。  キスも何時もより感じて、服を脱がされ首筋や耳、胸を舐められたり吸われ始めたら挿れて欲しくてたまらなくなった。  でも、まだ理性があるみたいで言葉にしていない。 自分を愛撫する照哉も何時もの穏やかさがなく、激しい。  激しく求めてくる。  でも嫌じゃない。  むしろ、もっと激しくしてくれと心で願っている。 乳首を吸われながら、ピンと勃ったペニスを掴まれ上下に動かされ東雲は更に激しく喘ぎ声を出す。 「あんっ、照哉さっ……きもち……いいっ」 ビクンビクンと身体が痙攣する。 両手で照哉の頭を撫で回して、つい…… 「照哉さっ、もう挿れて」 と理性の糸が切れた瞬間だった。 ****** 無理やり抱かれる事がどんなに嫌かを一番知っているのは照哉自身だった。 だから、キスはしても手を出さなかったのに。 体調不良の東雲を無我夢中で抱いている自分に驚いている。 でも、一番驚く事は東雲がこんなにも自分を欲しがる事。 こんなに大胆なのか? 自ら唇を重ねて舌を絡ませてくる。 荒々しく互いに息を吐いて求め合う。  全裸で抱き合うから互いの熱が伝わる。 熱い。 凄く熱い。 自分の下で興奮気味に息を荒く吐き舌で愛撫すればよがり声をあげて反応する東雲。 紅潮した頬と汗ばむ身体は妙にいやらしくて性欲を掻き立てられる。 ピンク色の突起を口に含み吸い上げる。  「あんっ、あっ、てるやさ……」 乳首を舐めるだけでこんなに淫らに反応して照哉の頭を両腕に抱き込む。 照哉は勃起した東雲のペニスを我慢出来ずに掴み弄っていると、興奮した彼から、  もう挿れて……とお願いされ照哉はもう何も考えられなくなった。  欲しい、 欲しくてたまらない。  会長に突っ込まれる時に無理やり塗られるローションをベッドの近くから取り、東雲の両脚を広げて小さくつぼんだアナルへ塗り込んだ。  指を入れるとまだギチギチな後ろの穴。  挿入しようにもまだ誰のも受け入れた事がない小さな穴は照哉のを受け入れてくれない。  指でほぐすように出し入れをする。  2本の指を無理やり入れると、痛がるどころか東雲は喘ぎ声を上げて、両手で足を支えるように更に脚を開く。 ローションと愛撫でぐちょぐちょになった穴に照哉は躊躇なく自分のペニスを突っ込んだ。  締まりが良すぎる穴は照哉のをゆっくりと呑み込んでゆく。 「あああっ、あっ、あっ、」 挿れられた瞬間から東雲は快楽の中にいて、初めての痛みも怖さもなかった。  ただ、抱かれたい。  それだけに支配され、挿ってくる照哉の熱いペニスに溺れていく。  「き、……すきっ、照哉さんすき」 根本までギッチリと挿ってくる瞬間、東雲は両手を伸ばし照哉を求めた。

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