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快楽 4話

快楽やがて2人は抱き合い、薬が切れたように眠りについた。  ******** 「激しかったな」 画面を見ながらニヤニヤ笑う会長。 確かに………。と灯も思った。 「さて、今夜は東雲と2人っきりにしてやるか……、灯、ホテルに泊まるから」 とパソコンを閉じた。  「分かった。」 そう返事を返しながら灯は東雲という名前を絶対にどこかで聞いたと考えていた。  照哉から名前を聞いた時もそう思った。  「あっ、」 ふと蘇った記憶。 「何だ?」 「ううん、何でも」 灯は笑って誤魔化す。  東雲。 そうだ、あの時の人だ。  会長がタケルと別れた後に一度だけマンションに来た事がある男。  高校を卒業する少し前の夜に訪ねてきた制服の男子学生。  会長が、驚いたように名前を呼んだ。  「東雲」  と。 その後に凄く嬉しそうな顔をした高校生の薫を思い出した。  いつもポーカーフェイスで喜怒哀楽を見せない彼が初めて見せた喜の顔。 珍しい名前だったから覚えていて、後から卒業アルバムでフルネームを確認した。  東雲由貴。  ユキと読むのかとつい、思ったがヨシタカだった。  あの彼と同じ名前。  もう一度、良く考えて記憶を手繰り寄せる。  照哉とセックスをしている男性に似てるかも知れない。 親戚?  あっ………子供。  そうかな?違うかな?  良く分からない。  それから、もう1つ分かった。  照哉にこだわる理由。  雰囲気が似ている。  目とか……照哉が髪を切ったら似ているんだ。  だから?  だから、あんなに執着するの?薫ちゃん。 ******* どれくらい眠っていただろう?  照哉は目を覚ました。  腕の中で寝息をたてる東雲の体温を感じた。  夕べ、彼を抱いた記憶が蘇り身体が熱くなる。  半分くらいから記憶が飛んでいるようで残念。 でも東雲の中が温かくて凄く気持ち良かった事を思い出した。 まだ眠る彼の髪にキスをし、オデコや頬、閉じたまぶたにもキスをする。 身体を引き寄せ首筋にもキスをして吸いつく。  「んっ」 東雲が可愛い吐息を漏らす。 チュッ、チュッ、とキスをしていく内に次第に気持ちが高ぶり東雲の上に乗ると唇を重ねて口内へ舌を挿れた。 ヌルリと滑りこませ無防備な舌へ絡ませる。  くちゅ、くちゅ、と舌を絡ませる粘着質な音。  頭を抱え込み、角度を変えてまた舌を絡ませる。 「んっ……」 ピクンと反応する東雲。 キス……………?  東雲は目を覚ますと同時に絡まる舌を受け入れた。  照哉に腕を回してキスに応える。 くちゅ、 絡める度に2人の耳に聞こえる音。 「んっ……ふっ……てる……やさっ」 キスが気持ちいい。 「東雲……」 唇を離すと物足りなさそうに照哉を見ている東雲。 可愛すぎ!  もう一度キスをしようとした時に、 ぐーーっ と東雲の腹の虫が鳴く。 わあー、俺のバカと真っ赤になりテンパる東雲と、  クスクス笑い出す照哉。 「す、すみません」 昨日のセックスの時より身体全部が熱い気がする。 「良かった、東雲が食欲出て」 ニコッと東雲に笑いかける照哉。  確かに東雲は凄く空腹感があった。  「先に何か食べてから風呂入ろう」 ベッドから起き上がる照哉の裸体が東雲の視界に入り、思わず目をそらした。 ま、まともに見れない。 さらに身体が火照る。 下着を履いてシャツだけ羽織った照哉が、  「東雲はまだ寝てろよ」 と頭を撫でる。  「えっ?俺も行きます」 と慌てて起き上がった。 「だめ、昨日無理させたから」 照哉は東雲をそのままベッドへと押し込める。 「大人しくしてますから一緒にいたい」 不安そうに見上げる東雲にキュンときた照哉は仕方なく一緒に行く事にした。

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