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最強鬼畜会長 2話
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「照哉さん遅いなあ」
東雲は時計を見ながら呟く。照哉が出てから軽く一時間経っていた。
シーツってそんな時間かかるっけ?
そう思いながら探しに行く為に服を着ると玄関で靴を履く。
あ、鍵…… 掛けないとマズいよね?
と、部屋の鍵を探すが無い。
そっか、照哉さん持って行ったんだ。
鍵をかけれない不安から東雲は探しに行くのを諦めてリビングへ戻る。
1人で居るには広すぎる部屋。
リビングのソファーに寝転ぶと天井を見上げた。
うわっ、天井高いっ!
寮の部屋や昔住んでた家も、こんなに天井高くないし、広さもない。
1人で天井を見上げると寂しくて泣きたくなる。
亡くなった父親を思い出すのだ。
もっと永く生きて欲しかった。
生きていたら多分会長くらいの年齢。
母親の顔を知らないけど、父親と祖父が居てくれて………寂しくなかった。
生きてくれてたら一緒にあの店をやれたのに。
こじんまりとした食堂。夜は居酒屋。
小さい頃、東雲も手伝ったりして楽しかった。
お客も顔馴染みばっかりで、客からも可愛がられていて、永遠に続けば良いって思った。
「父さん……じいちゃん」
声に出したら凄く会いたくて、
あの家に帰りたい。
「かえり……たい」
視界が歪んで、目頭が熱くなる。
寂しい……誰かにギュッと抱き締めてもらいたい。
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ガンッ !!!
「つっ、」
会長は思わず声を出す。
「いい加減にしろよ、しつけーし」
痛そうに眉を動かす会長を睨む照哉。
あまりのしつこさに照哉は会長の膝にケリを入れたのだった。
「本当にヤンチャだな」
会長は怒りもせずに笑う。
「離せよ」
照哉の体はまだガッチリと会長の腕の中にいた。
「やーだね」
ニヤニヤしながら答える会長。
会長は照哉の後頭部に手を回すと髪を掴み、下へグッと引っ張る。
嫌でも顔が上がり首筋が露わに。
そこに会長は舌を這わす。
ヌルリとした生暖かい感触に照哉は両手で会長を退かそうとする。
「やめろって!」
「生意気にキスマークが増えてるじゃないか」
会長は東雲が付けたと思われるキスマークに上書きするように強く吸い付く。
「やめっ」
「うるせえよ、お前は抱くよりも俺に抱かれてる方が似合ってんだよ」
「ふざけんなっ、いい加減にしろよ」
照哉は声を張り上げる。
「だんだん身体熱くなってんじゃないか?俺に愛撫されて」
「はっ?変態オヤジに熱くなるかよっ」
照哉は力を込めて会長を突き飛ばす。
ようやく自由になった照哉は、
「もう気が済んだだろ」
と睨みつける。
「とりあえずはな……」
ニヤリと笑う会長。
「お前が俺を欲しくなる頃に抱きに戻ってやるから」
「は?誰がアンタを欲しがるんだよ?」
バカじゃないのか?なんて顔で会長を見る照哉。
「欲しくなるさ、じゃあ、またな」
と会長は照哉の前を通り過ぎて行った。
その後ろ姿を見ながら、誰がてめーなんか欲しがるかよ!と心で叫んだ。
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部屋へと戻るとリビングのソファーに寝転ぶ東雲を直ぐに見つけた。
覗き込むとうっすらと泣いたあとがあり、眠る東雲。
また泣いてたのかよ……。
照哉は指先で涙のあとを拭うと、頭を撫でながら東雲の寝顔を見つめる。
寂しがり屋な東雲。
彼を抱き上げると寝室へと連れていく。
ベッドに寝かせ、自分もその横に寝転ぶと東雲を抱き寄せてオデコにキスをする。
「好きだよ」
小さく呟く。
「めっちゃ好き」
照哉はそう言いながら東雲の瞼や頬にキスをする。
「好き……」
「俺も」
眠っていると思った東雲が返事をして照哉はちょっと驚いて、直ぐに微笑む。
「起きてたのかよ」
照れ臭そうに笑う照哉。
「抱き上げられた時に目覚めたんだけど嬉しくて寝たふりしちゃった」
「こんにゃろ」
照哉はそう言って東雲をギュッと胸に抱きしめた。
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