84 / 135

最強鬼畜会長 4話

照哉はトイレに逃げ込もうとするがあっという間に後ろから抱き締められた。 「はなせっ」 「嫌だね」 後ろから伸びた手は照哉の腹の前でガッチリと組まれて耳元で囁かれた。 耳にかかる息。 何でだろう?何時もは何ともないのに……っ、感じてしまう。 それを知られたくなくて必死に我慢する。 会長がそれに気づかない筈もなく、耳に息を吹き付けられ、背中がゾクンッとした。 「やめろ、離せよ」 「抱きに来るって言っただろ?」 会長はわざと耳元で囁くように言い唇を耳に押し付けてきた。 「やめろって」 照哉は顔を会長から離す。 「東雲じゃ満足できねーんだろ?お前の身体はさ……」 ヌルッとした感触が耳に、 「ンッ」 出したくもない声が漏れる。 つつっと、そのまま首筋を舐められる。 「やっ……」 ゾクゾクとくる背中の寒気みたいなものは、快楽からくるものだと思いたくない。 逃げたい… 逃げたいのに…… 会長の手は身体中を這うように弄りはじめて、胸の突起物を指先で摘まれたり、指でグリグリと押さえつけられたり、自由に動いている。 「照哉…乳首だけで息が荒いな」 耳元で囁くと耳朶を軽く噛まれた。 「あんっ……」 なんで? なんで…こんな声、 「何時もそんな声出せよ」 また軽く噛まれた。 我慢する必要があるくらいにそれだけで感じている。 なんで? 身体中が火照り、息が荒い。 なんで?おかしい… 勃起した陰茎もダラダラと先から液体を出していて、自分が普通じゃないのを感じた。 「照哉、愛撫だけでガマン汁出てんなっ、そんなに俺に抱かれたかったか?」 会長の手がソコに伸び、掴まれた。 一気に血液が集まるみたいにピクンピクンと陰茎が波打つみたいな感覚。 「さわっ……んなっ」 そう言って振り払えば良いのに、しない自分。 抱きしめられた瞬間に振り払えたのに、それをしなかった自分に、もうワケが分からなくなっていた。 ただ、腕の中で愛撫されて黙っている。 身体がふわりと浮いて抱き上げられた。 どこに連れて行かれるのかは想像がつく。 暴れて嫌がる事だって出来るのに、身体がいう事を利いてくれない。 身体の火照りに荒い息を吐く。 想像通りに連れて来られたのは寝室。 照哉と会長にとっては寝る為の部屋ではない。  セックスをする場所。 ベッドに降ろされた。 会長は着ている物を全て脱ぐとベッドへと乗ってきた。 重みで沈むマットと見慣れた会長の身体。 筋肉質で引き締まっている。 所々に薄い古傷がある。 その事を聞こうとも思わないし興味はないけど、何気にそのヶ所をぼんやり見ていた。 「覚えてんのか?お前庇って刺された傷」 えっ?と思った。  そして、14歳の頃の記憶がよぎっていった。 ああ、確かにそうだった。 「でも、アンタを刺した奴の方が重傷だった」 「当たり前だろ?誰に刃物向けてんだよって感じだからな。タコ殴りしてやった」 「ふんっ、あのまま地獄に落ちりゃ良かったのに」 照哉の言葉に会長はニヤリと笑った。 「そうだな。あの後だもんなお前やっちゃったの」 そう言うと照哉の顔を片手で押さえてキスをする。 すぐにヌルッと侵入してくる舌。 「んっ、」 クチャクチャと絡んでくる舌を照哉は拒否する事もなく受け入れる。 角度を何度も変えて繰り返しされるキス。 そのまま押し倒された。 「んっ、…ふっ」 嫌いな奴のキスをどうして、気持ち良いと感じているのか分からない。 身体が求めている。 会長の手が身体を弄ってくる感触にピクンと身体が動く。 「んっ、んっ」 弄られる度に身体が敏感に反応をして、声が出る。  唇が離れて首筋を舐められ、その舌がヌメヌメした生き物のようで身体中を這ってゆく。 「んっ、あっ…」 「いいなあ照哉。今日は素直じゃねえか、ご褒美をたくさんくれてやる」 乳首を甘噛みされた。 「ああっ」 その後をちゅくちゅくと強く吸われる。 舌で転がされて喘ぎ声が何度も出て、会長を興奮させた。 ちがう、こんなの俺じゃない。

ともだちにシェアしよう!