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切ない夜は、傍にいて

◆◇◆◇◆  二週間後。  携帯電話を閉じ、瑠維はエプロンを外した。 「なんなんだよ…、二人ともって…。  せっかく作ったメシが、余りまくりじゃねっかよ…」  ブチブチ呟き、ドカッとソファーに座る。 「忍のバカ…、玲のアホ…。  立て込んでた仕事片付いたから早めに帰るって、朝にはメールしてきたのに…」  テーブルに並んだ皿とコンロに並んだ鍋を見る。  腕に縒りをかけて作った料理は、どれも忍と玲の大好きなものばかりだ。  素材も味も栄養価も考えに考えたものだし、勿論、二人に喜んでもらおうと篭めた気持ちも…。  いつもは少ない時間で仕上げている料理だが、今日は半日かけて仕込んでいる。  …なのに。  よりによって帰るコール代わりのメールが… 『すまない、仕事の切りが悪くて帰れないでいる。玲と先に食べていてくれるか』 『悪い!!仕事の切りが悪くて帰れそうにねぇ。忍と先に食べていてくれ』 「どっちも帰って来ねぇじゃねっかよ…」  拗ねるしかない瑠維なのだった。

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