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「早く帰って来てくれよぅ…。  じゃなきゃ…、不安でどうにかなる…」  ほろり。  ほろり。  ほろほろ…。  口をついて出た言葉が心を刔る。 「俺は………、俺はホントに役に立ててる…のかな…。  メシを作るしか能がないのに…、あのふたりの……………役に立て……っ?  ……………………っふ…。  ………う………っく……………………。  ………ふ………う……ぅっ」  ほろほろほろ。  ほろ。  ほろほろ。  零れた涙が止まらない。  華を持たずに生まれた故の自信の無さが、無数の刃になって心を引き裂いた。

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