9 / 181
・
「早く帰って来てくれよぅ…。
じゃなきゃ…、不安でどうにかなる…」
ほろり。
ほろり。
ほろほろ…。
口をついて出た言葉が心を刔る。
「俺は………、俺はホントに役に立ててる…のかな…。
メシを作るしか能がないのに…、あのふたりの……………役に立て……っ?
……………………っふ…。
………う………っく……………………。
………ふ………う……ぅっ」
ほろほろほろ。
ほろ。
ほろほろ。
零れた涙が止まらない。
華を持たずに生まれた故の自信の無さが、無数の刃になって心を引き裂いた。
ともだちにシェアしよう!