20 / 181
・
「………………なるほどね…。
一ヶ月以上も肌を合わせてないんだ…。
そりゃ悲しくもなるし、気持ちも沈むよ…」
深い深いため息を零し、璃音は瑠維の背中を撫でた。
「…や、その…、仕方ないだろ…二人とも…忙しいんだし…」
視線を下に落とし、瑠維は小さな声で呟く。
「それにさ…、忍も玲も…大事な仕事してるし、世の中の…役に立ってるだろ…?
なのに、俺…、俺…っ、その…、………メシ作るしか…取り柄ねぇ…から……っ」
「……瑠維。
………それ、本心で言ってる?」
「………………っ」
今まで聞いた事のない低い璃音の声に、瑠維は息を飲んだ。
「ねぇ瑠維…?
僕らは男だけど、常に受け身の立場だよね。
だけどね…、愛される事を受け身にしちゃダメだと思うんだ。
愛して貰いたい時は、ちゃんと言わなきゃ…。
違う?」
「………ダメだって…。
俺は………そんな我が儘言っちゃダメなんだ…。
あの二人を困らせたら…っ」
しおしおとうなだれる瑠維に、璃音はしんなりと眉をひそめた。
ともだちにシェアしよう!