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鬼と小鬼の悪巧み
「ほう…、成る程な…」
一層低い声を発したのは一族最凶の女、水上荊櫻だった。
璃音からのメールを読み、サクサクと仕事を片付けて駆け付けた頃には、泣き疲れた瑠維は寝入ってしまっていた。
毛布に包まれてクウクウ眠る瑠維の周りには、四人の弟妹が張り付いて眠っている。
正しくは、瑠維の中にサイコダイブをし、心の傷を修復中なのだが…。
「家事をさせるのは一向に構わんが、着替えやら三食の飯まで届けさせておいてお預け食らわせてるだと…?
いつからこれは家政婦に格下げされたんだ?
つか、家政婦以下の飯炊き女に格下げか。
あ"?」
「荊櫻、抑えて抑えて」
背中から真っ黒い瘴気を噴き出した妻を、晶が必死に宥めている。
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