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「……………」
「漸くお目覚めか」
低い声。
「「………………………ッ!!」」
この世で一番恐ろしい声に、一瞬で全身が竦み上がった。
ガバリと跳ね起きた二人に、冷めた視線が突き刺さる。
「鬼…夜叉…」
「俺達は、一体…?」
「重度の禁断症状でトチ狂ってただけだ。
この馬鹿どもが」
荊櫻は額に青筋を浮かせ、呆然としている弓削と玲に氷嚢を投げて寄越す。
「私と璃音はお前達に何度も言った筈だ。
"家に帰れ"と。
変なクソ意地を張るからおかしな事になってるんだ。馬鹿が」
ズビシッ!!
「痛っ!!」
弓削の額に強烈なデコピンが炸裂した。
「サプライズの為には、瑠維が多少寂しい思いをしようが仕方ないなんて言わないだろうな。
………………あ?」
ズビシッ!!
「うおっ!!」
今度は玲の額だ。
ビリビリと痛む額を押さえた二人。
未だ、キョトンとした顔だ。
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