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「何が何だか解らんという顔だが、お前らが禁断症状ということは、瑠維もそうだと思い浮かばなかったのか?」
「「……………………っ!?」」
弓削と玲の表情が強張る。
「玲、お前は瑠維をどのくらい食ってないんだ?」
「………………一ヶ月…半」
「忍は?」
「………………一ヶ月半です…」
お互いに見合い、少しずつ顔色が引いていく。
「自分は忙しい。
多分片割れが瑠維を食ってる筈だから大丈夫だとでも思ってたろ。
だがな。
二人分の愛情が必要な人間はそうはいかない。
あれは、お前達に幾つも引け目を持ってたから、言いたい事を言えないままで禁断症状になってたんだ。
お前達よりも重い状態にな」
「「瑠……維が……?」」
「お前達に焦がれる余りに精神状態が限界を超えてた。
崩壊寸前までな」
「瑠維が…!?」
「嘘だろ!?」
「嘘なものか。
枯れて死ぬ寸前だったぞ」
今まで荊櫻は自分達に嘘を言った事は無かった。
と、言うことは…。
瑠維が危なかったのは、真実だということだ…。
改めて、二人は血の気が引いていったのだった。
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