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「元々璃音に求愛していたお前達だから、多分自分は飽きられたんだと思ったみたいだぞ。
大企業の重役と将来有望な医師。
かたや自分は料理しか取り柄がない。
二人に自分は釣り合わないとな…」
「そんな事はない。
私は瑠維を愛してる。
取り柄がないなんて、一度も思った事もない…!!」
「俺もそうだ。
アイツに飽きるなんて有り得ねえよ。
取り柄がねえなんて、何考えてんだ…!!」
言い募る二人を、荊櫻が制止する。
「あれはな、自分に華が無いと思い込んで生きてきた。
まともな人間関係の構築すらしないままでな。
だからこそ自信が無いし、言いたい事を呑む。
二人分の愛情が必要になるくらいに、自分で心を刔ったんだ。
きっと気付いてるだろなんて思うな。
ちゃんと伝えてやらなきゃ解らないんだ、あいつは。
代わりなんかじゃなく、お前達じゃなきゃ意味がない。
あれはお前達に愛されて、漸く生きる意味を得たんだからな」
一族最凶の女が、頭を下げた。
頼む、と。
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