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 瑠維が迸らせた蜜は、二人の手と指に絡め取られた。 「…ん………っ」  焦がれ焦がれての絶頂は、瑠維の体を翻弄するばかりで。  極めた後の脱力は半端ではなく、羞恥と、甘い痙攣、そして限りない充足感を伴って包み込んだ。 「……はぅ……ん」  フルリと震える体。  霞む視界の中で、白蜜を味わい嚥下する忍と玲。  これは終わりじゃない。  甘い責め苦の始まりにしか過ぎない。  瑠維は、これから先程の快楽などとは比べものにならない位の高みへと追いやられる。  疼いて綻び始めた後蕾と、極上の花筒と化す口で、伴侶の雄刀を包んで愛すのだ。  待ち受けるであろう深い交わりへの高揚と、二人を悦ばせられるだろうかという不安。  それらすべてを身に纏い、腕を伸ばし、足を少しだけ開く。  恥ずかしさと劣等感は、二人がきっと消し去ってくれる。  父や弟を凌駕する媚香を放ち、愛しい伴侶へ潤む瞳を向ける。 「しのぶ…。  れい…」  更に両腕を伸ばし、鈴音の如き声で呼ぶ。  極上の快楽へと共に墜ち、子を孕めない代わりに、愛しい伴侶から注がれる愛と自分の中にある情を混ぜ合わせ、二人の伴侶への愛をこの身に宿す為に。  ぎこちないながらも、笑みを零しながら…。

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