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「「……………?」」
ドアノブを掴む音がしたのに、一向に瑠維は出て来ない。
不審に思った二人は、瑠維が逆上せて倒れでもしたのかと、それぞれの場所から立ち上がった。
「瑠維?」
「大丈夫か?」
そっとドアを開けると、甘い香りが鼻を擽る。
クラリ…。
軽い酩酊感を覚えながらも瑠維がいる方へ目を向けると。
「……あ、や………ぁ…」
和服を纏い、色香を増した瑠維に、一瞬で目を奪われた。
羞紅し、瞳を潤ませた愛しい伴侶。
「どうした?
何を怖がる必要がある」
「俺達は瑠維を大事にしたいだけだ」
今にも涙が零れ落ちそうで、頬や未だ濡れたままの髪を撫でてやる。
「………ちが…、怖くなんか…。
ただ、変に………我にかえって……」
「そっか。
気にすんな、俺達もそんな感じだ」
「同じ様に、妙に照れておかしくなるなんて、俺達は気が合ってるんだな」
自然に引き寄せられ、褥へと誘(いざなわ)れる。
耳元で煩い位に響く鼓動は、自分のものか伴侶のものかもわからないけれど…。
命が果てるその先まで、深く愛し愛されることの悦びに、フルリと身を震わせた。
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