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 美月とは、中学2年の頃から付き合っている、琉生の彼女である。美月も琉生と同じく、無駄にテンションが高く、少し抜けているので、2人は気が合って仲が良かった。  ただ、美月の方は頭がよくなく、必死に勉強をしたものの、西第一高校には落ちてしまった。もしも美月が受かっていれば、今も2人は一緒にいて、絡まれることはなかっただろうに。  なんて、そんなことを純は思うが、過ぎたことをいくら考えたって、無駄なことだった。 「そうなんだけどね。部活動見学ってそれだけで楽しそうじゃん? 興味本位、みたいな。入らないけど、いろいろ回ってみたさはあるんだよね」  そんな人の気なんて知らず、琉生は1人楽しそうに喋る。入る気も無いのに冷やかしで行くんじゃ無い、と思うが、言っても無駄だと分かっているので、あえてそこには触れない。 「一人で行けよ。俺は行くところが決まってるから、いろいろ回らないぞ」 「え~、何それ聞いてない!」 「琉生に言う必要ないだろ」 「親友なのにひどい~! じゃあ、俺もそれについていく!」  駄々をこねる子どもみたいにそういう琉生に、頭痛がしてくる。  やっと真咲に会えるのに、それを邪魔されるのだけは嫌だった。 「文化系の部活に行くから、興味ないだろ。やめとけ」 「え、何。どんな心情の変化? 純ちゃん小学校の時からバスケ一筋だったじゃん。似合わね~!」  流生はゲラゲラと声を出して笑い出す。なんだか、真咲に入れ込んでいる自分を馬鹿にされているみたいで、ムッとした。  なぜ何も知らない流生にそこまで言われなければいけないのだろうか。流生は考え無しに喋るタイプだとは分かっていても、気持ちは落ち着かない。    これ以上相手にしてもイライラが募るだけだと思い、純は無視を決め込む。  そんな純を見て、琉生は心底楽しそうにニヤニヤとした。 「何かあるからあえてそこに入るんでしょ。何、部活動紹介で可愛い先輩でもいたの? 面白そうだから、俺もそこに入ろうかな~。」 「は……?」

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