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見上げた灰色の台の上には、深いブロンズ色の塊。
一瞬、それが何か分からないのは、それが丸まるように蹲っているからだ。
そして、手を伸ばしている。
誰かの手を取っているようにも、天に救いを求めているようにも見えるが…
「………玄…?」
台に付けられたプレートは長年の風雪からか擦り切れ掠れ、達筆な事もあってオレには読み切れない。
何はともあれ、オレはこの銅像のお陰で命拾いしたのだった。
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