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チュ。
「……ひぁ…っ」
腕の中で瑠維がピクンと跳ねた。
「俺も忍も、お前に大事にして貰ってる。
それが凄ぇ嬉しくって仕方ねえ。
その反対にな、俺達もお前を大事にしたいし、ずっぷり甘やかしたり啼かせてやりてえって思ってんだぜ?」
「玲…」
「お前は俺達の未来を潰したって引け目を感じて、身の丈以上に尽くしまくってる…。
でもな、俺達だってお前の未来を潰してるってのを完全に忘れてるだろ」
「……………へ……?」
「自分が伴侶に尽くすのは当たり前、俺達が食い散らかすのが当然なんて思ってるだろ、お前。
だけどな…、一方通行みたいに片方だけが尽くしまくるのは、俺達は嫌だ。
尽くされた分、俺達もお前を大事にしてえし、甘やかしてえのさ」
ギュウ…ッと抱きしめる力強い腕。
「………っ」
「いつか終わりが来るかもしれない関係だとか、俺達二人がお前に飽きて棄てるなんて思うなよ?
生半可な気持ちでお前の亭主になったんじゃねえ。
今だけじゃなく、永遠に搦め捕ってやるくらいの気持ちなんだぜ?離す訳がねえんだよ」
「……………っ」
煩いくらいの鼓動が、耳の辺りで鳴り響く。
瑠維だけを永遠に愛していくと誓ってくれる言葉をくれた。
今、この時に心臓が止まってしまうんじゃないかと思う程の幸福で、どうにかなってしまいそうな気がした。
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