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◆◇◆◇◆  週末ということもあって来客数がかなり多かったが、漸く上がりの時間になった。  食洗機にかけたカトラリーを丁寧に拭き、厨房の明かりが落ちる。  駐車場で待っていた忍の元へ瑠維が慌てて走って来た。 「ご、ごめん。  かなり待ってたんじゃ…」 「大丈夫。  そんなに待ってないから」 「本当に?」 「ああ。  さ、帰ろうか」 「…………」  優しく微笑んで差し出す手に手を重ねると、瑠維が思っていた通りかなり冷えていた。

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