209 / 262

「瑠維」 「………っ」 どっくんっ!! 仕事中は絶対甘くならないバリトンに近い声で呼ばれ、もう一度心臓が跳ねた。 「悪い、待たせちまったな」 「ううん…、そんなに…待ってないし…」 「そっか…?」 甘い表情を浮かべて自然に手が差し出され、心臓が早鐘を打ったようにバクバクと激しい状態になる。 「……っ」 手を重ねるとますます動悸が激しくなり、頬というか顔全体がボッと熱くなってしまう。 真っ赤な顔で俯いた瑠維を、玲は嬉しそうに愛車までエスコートしてくれた。

ともだちにシェアしよう!