211 / 262
・
座り心地のよいシートに体を預けてドームに投影される星々を観ると、実際の星空もかくやと思える見事な映像に自然と溜め息が漏れる。
仄かな光を頼りに視線を移すと、いつもより穏やかな表情の玲と目が合った。
料理しか取り柄のない自分を、いつも玲は大事にしてくれる。
何でこんなに優しくしてくれるんだろう…。
「綺麗なものを見てる時のお前って、本当に可愛いな。
そういうところも好きなんだぜ、俺」
「………っ」
瑠維だけに向けられる優しい声で囁かれ、心臓が跳ねて仕方ない。
ともだちにシェアしよう!