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座り心地のよいシートに体を預けてドームに投影される星々を観ると、実際の星空もかくやと思える見事な映像に自然と溜め息が漏れる。 仄かな光を頼りに視線を移すと、いつもより穏やかな表情の玲と目が合った。 料理しか取り柄のない自分を、いつも玲は大事にしてくれる。 何でこんなに優しくしてくれるんだろう…。 「綺麗なものを見てる時のお前って、本当に可愛いな。 そういうところも好きなんだぜ、俺」 「………っ」 瑠維だけに向けられる優しい声で囁かれ、心臓が跳ねて仕方ない。

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