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9、特訓と製作

皇宮に行く前に覚える事は沢山ある。 お茶の飲み方から、箸の使い方 座り方など、様々だ。 「一通り教えた。後は覚えたことを 実践するのみ。普段の生活から 意識をして作法をするように」 「はい、父上」 作法を教わった後は、皇帝陛下に送る 物を造らなければならない。 諒は、汗や汚れを拭ける布に 刺繍を施し、献上することにした。 製作すること3時間。 「父上、出来ました。 どうでしょうか?」 「うむ、いいだろう。前に見た時 よりも随分腕をあげたな」 諒が刺繍したのは鳳凰。 神話に出てくる伝説の鳥で、 鳳凰が現れれば天下安泰 降り立つ地では徳の高い人が生まれる という言い伝えがある。 「天下が安泰でありますようにと 願いを込めて刺繍しました」 「皇帝陛下もさぞお喜びに なるだろう。お前は自慢の息子だ」 父の口からそのような言葉が 聞けるとは思わず、驚いたが 自分の作品を認められ 素直に嬉しく思う諒であった。

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