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28、諒の決断
「大妃様にご挨拶いたします」
「楽にしなさい。さぁ、ここへ」
大妃に促され、隣へ座る。
独特の緊張感に肩の力が入る。
「皇帝陛下から、女官の件は聞いた。
災難であったな」
「身分のない私が皇宮殿にいることが
許せなかったのでしょう。私に
責める権利はありません」
「・・そうか」
沈黙が続いたが、諒が口を開く。
大妃の思いを考えなが話した。
「大妃様のおっしゃりたい事は
分かっています。私がここに
いることは陛下にとっても
良くないでしょう」
陛下に中殿がいない事、更に
側室もいない。大妃はその事が
悩みの種だった。
「陛下が政殿へ行っている間に
皇宮を出ようと思います」
「そうか、分かってくれたか。
しかし、そのままの格好では
気付かれる。女官の服装で
出なさい 」
大妃は皇宮から出れるよう許可証と
女官の衣装を渡した。
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