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GAME5

「なんかちょっと笑っちゃうんだけど」  カナさんも似たようなことを思ったらしく、振り向いてふふふと笑う。 「カナさんでしょー。後ろからがいいとか言うからぁ」 「んふふふ、でも、うん。安心感あるわ。ハルくんソファ、安心感ある」 「落ち着くな。始めるよ?」 「はい、どうぞ」  カナさんはすっかり安心した様子でおれに背を預けてしまっている。金色のやわらかな髪がおれの首すじをくすぐり、おれとは違う石鹸のいい匂い……って、そうじゃねぇ! そうじゃねえわハル! しっかりしろ。いくらカナさんが小さくて童顔でいい匂いがしたって、れっきとした男だ。状況に酔うのはまずい。 「……じゃあ、ちょっと腰浮かして」 「っ、ちょ! み、耳もとでしゃべんな! あと無駄にいい声だすな!」  カナさんが耳を押さえて振り返り、キッとおれを睨みつける。 「しょうがないじゃん。ちょうど耳の位置に口がくるんだし、イケボなのは生まれつきだし」 「腹たつわー。今、わざと低めのいい声だしたくせに」 「だしてない。いつも通りだよ。ほら、早く腰浮かせろって」  なんだか少し面白くなってきて、わざとカナさんの耳に口を寄せ低めの声をだしてみる。息が当たるからか、カナさんがびくっと肩を揺らす。耳の縁がうっすらと赤い。

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