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GAME5
カナさんにとっては男としての危機というか、絶望案件らしいから、それこそ背に腹は代えられない状態なんだろう。まぁ、逆の立場だったらって考えると、確かに絶望案件だ。仕方ない。相棒として右手を貸してやろうではないか。
「……じゃあ、する?」
「……うん。よろしくお願いします」
頭をさげられてしまった。もう後には引けない。
「えっと……カナさん寝る? 横になる?」
「あー……目が合うと恥ずかしいから、後ろからがいい」
「後ろ……AVでよくあるパターンね」
いや、それ逆に恥ずかしくないか? だっておれが後ろからカナさん抱き抱える感じでしょ? 無駄にエロいシチュエーションだし。でも、カナさんがそのほうがいいって言うんなら、まあ、仕方ないか。
「じゃあ、はい。おれに寄りかかって」
ベッドの上、カナさんの背後に座りこむと「こう?」と、カナさんがおれの胸に寄りかかってきた。ちっせえな。おれがデカいだけかもしれないけど、カナさんはおれの胸にすっぽりとおさまってしまう。
「もうちょっと……、よいしょ」
カナさんを後ろから抱き抱え、ぐいっと引き寄せる。えーもう、なんだこれ。なんだよ、これ! カップルか! 深夜のイチャイチャタイムか!
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