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惹導(2)

「なっ、ああっ!!」  だがその行為はかえって危険を伴う。  妖狐によって与えられた快楽のおかげで胸にあるふたつの突起が赤く腫れ上がり、しかも太腿の間にある欲望も大きく膨れ上がっているため、地面に擦りつけながら進めば疼きは肥大するだけだ。紫苑にとって、この行為はますます自分を追い込む結果となる。  新たな刺激を与えてしまった身体が仰け反ってしまう。 「無駄だ、お前はけっして俺から逃げることはできない」  妖狐は淡々とした口調でそう言うと、紫苑の細い腕を身体の後ろで束ねた。 「なに……をっ!!」  いったい自分はこれから何をされるのだろうか。  羞恥と苦痛。そして快楽で頬を染めた紫苑は目の前の妖狐を(にら)んだ。  しかし、その姿さえも淫猥でとても美しいことを、彼は知らない。  余計に妖狐を煽る結果になってしまう。 (この身体すべてが俺のものだ)  暁は言いようのない独占欲と、この強情な悪魔をさらなる羞恥へと誘いたいという欲望を募らせた。  威嚇する悪魔の服を片手で剥ぎ取り、その衣服で手首を拘束する。  身動きが取れなくなった悪魔の身体をくるりと反転させ、仰向きにすると、天井に取り付けている高窓から降り注ぎはじめた一筋の朝の光が彼の柔肌を包み隠さず照らす。  胸の頂にあるふたつの蕾は女性の胸のように真っ赤に膨れ、暁の愛撫によって付けられた唾液で艶かしく光っている。  荒い呼吸を繰り返すたび、上下する蕾が暁を狂わせていった。

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