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第12話
「俺は、誰に何を言われても恥ずかしくない。好きでもない相手と一緒になる事も出来ない。だから、変な負い目を感じたり、面倒臭い事ごちゃごちゃ考えないで、俺を好きなら好きって言って。壮一が俺を恥ずかしいって思わなければ、それだけでいいんだ。だから…… 」
『もっと頼って』と続いた言葉に更に涙が溢れ出た。
「好きだよ。壮一は? 俺のことどう思ってる? 」
「……俺……き…ひっ、あぅっ! 」
「ん? 聞こえない」
少し意地悪な声と同時に、奥の方にある弱い場所を緩急をつけて穿つから……羞恥と悦楽に溺れながらも、ちゃんと伝わるように壮一はその唇を薄く開く。
「……き、好き……光希」
そう言葉を紡いだ途端心の中の氷が溶け、暖かな物に包まれながら壮一は腕をゆっくり伸ばす。そこには昨日の手錠の痕がくっきりと残っていたけれど……そんなことも気にならないほどに、スッキリとした気分だった。
「酷い事してごめん。でも、またしたいと思うくらい、壮一可愛かった」
「馬鹿……もう二度とあんなのは御免だ」
光希の背中へ回した指にギュッと強く力を込めると、やられっぱなしは嫌だったから、彼を射精へと導くように腰を振りながら中を締め付ける。
「クッ……壮一、締めすぎっ」
「あっ、そこっ……や、ひ、ああっ! 」
仕返しとばかりにアナルを激しく何度も突き上げられ、堪えきれなくて先に達すると、少し遅れて腹の奥へと暖かい物が注ぎ込まれた。
「大丈夫、きっと全部上手く行くから」
繋がったまま抱き締められ……耳元で優しく囁かれれば、涙腺が壊れたみたいにまた涙が溢れだす。
そんな壮一の頬にキスをして目元へと舌を這わせた光希が、
「泣かないで。愛してる」
と、頬笑みを浮かべ伝えれば……嗚咽に声を詰まらせながらも、はにかんだような笑みを浮かべ、頬を真っ赤に染め上げながら、
「…… 俺も」
と、照れくさそうに小さく応える声がした。
(おわり)
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