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第1話

どうしてこうなった… イメチェンしたらメン幼馴染に嫌われてしまった。 幼稚園の頃からの幼馴染に嫌われた。ショックでしかない。 幼稚園からずっと一緒で高校も同じところを選んだのにお先真っ暗である。 こんな事ならイメチェンなんてしなければよかった。 遡ること一年ほど前、俺こと如月愛弥(きさらぎまなみ)はいわゆるぽっちゃり系男子だった。黒縁眼鏡の下は長い前髪で覆われているので陰気な感じ。要するにブスと呼ばれる部類に入れられていたのである。身長はそれなりに高かったがデブである。めちゃくちゃデブってわけではなかったけどぽっちゃりではあった。 そんな俺の幼馴染、橘京介(たちばなきょうすけ)は身長も180超えの爽やかイケメンだった。 おまけに性格もめちゃくちゃ良い奴だった。なんたってぽっちゃりブスの俺とずっと一緒にいてくれるのだ。良い奴どころではない。天使だ。 俺がそんな彼の優しさにずっと甘えていた事に気付いたのがちょうど1年ほど前。自分でも多少は気にしていたが偶然きいてしまったのだ。 中学2年生の修了式のあとクラスメート達が俺のことを話ているのを。 「なんであんなやつが京介君と一緒にいるんだよ。」 「京介君が優しいからって調子に乗ってるよねあのブス。」 「だいたいなんだよあの前髪。汚すぎない?」 「よくあんな奴と一緒にいられるよね。」 等からはじまり俺の容姿の悪口からある事ない事好き勝手言い始めるクラスメート達。京介の前では京介に嫌われたくなくて俺の事を悪く言う事はしなかったが陰で言っていたらしい。 中学へあがって京介はモテた。本当にモテた。しかしあいつはいつも俺と一緒にいる事を選んだし俺もそれに何にも疑問を抱かなかった。でもだんだん周りの目がおかしい事に少し気付いていた。しかしクラスメート達は直接俺に危害を加えるような事をしなかったので俺は京介の優しさに甘えていたのだ。陰口を聞いて目が覚めた。こんな俺が横にいるべきではない。俺がずっと横にいたらいつか京介まで悪く言われるのではないか?あんな奴と一緒にいる京介はおかしい…とか。いや、既にいわれているかもしれない。 散々悩んで悩んだ結果、俺は京介の隣に立ってもおかしくない男になるべく努力した。 まず一年学校に行くのを辞めた。京介の横にいる事に急に不安になったのだ。登校拒否をしている間に京介にふさわしい友達が出来ることを願った。京介は俺以外にも話をするクラスメートがいるのですぐにいろんな人と仲良くなれるだろうから心配はしていなかった。幼馴染断ちをしながら俺はダイエットに励みオシャレな雑誌を読み勉強した。4つ上の姉に協力してもらいながら毎日筋トレと美肌を目指したりと女子力の高い女子のような事を続けた。 学業の方は元々頭が良いしか取り柄のない男だったので心配はなかった。寧ろ家でひとりで勉強する方が合っていたみたいでテストの点数は2年生の時より上がった。登校拒否中、京介は何度も俺を訪ねてきた。俺は断腸の思いで体調が良くないと会う事を断り続けた。中途半端な状態で会いたくなかった。俺は必死にフツメンを目指したのだった。卒業式までになんとか痩せてまっしになって京介の隣に立てる男にならなければ。しかし高校で京介と離れてしまっては意味が無い。俺は幼馴染特権、親を使って京介の志望校を把握。そして同じ志望校に合格。内申点が一年ほぼほぼ無い俺はテストの点数全教科満点をとり合格をもぎ取った。 一年間自分を磨きまくったところ、大幅な減量に加えてなんと多少はまっしな顔面になれたのだ。当社比だけど。 髪型もスッキリさせてファッション誌に載っているモデルさんに少し近づけた気がする。前髪で覆われていた目も今は見えている。しかし鏡を見ても京介のような男らしいイケメンにはなれなかった。元が違うのでフツメンで妥協しよう。寧ろフツメンになれただけでも大成長である。 流石に一年登校拒否をしたので卒業式だけ出ることは出来なかった。卒業証書だけこっそり貰い無事卒業。入学式まで俺はさらに自分磨きを続けた。姉に言われた…あんたが美容に興味持ってくれて嬉しいし一緒に化粧品試せたりして楽しい…と。それぐらい俺は女子力が上がっていたらしい。顔面偏差値は平均なのに。 入学式はなんと、全教科満点という事で新入生代表挨拶なんかに選ばれてしまった。内申点は悪かっただろうに… 全教科満点は俺一人だったらしいので俺に決まったそうだ。 そして今日、記念すべき入学式で俺は幼馴染に嫌われたのだった。 外は桜が満開で絶好の入学式日和だ。 新入生代表挨拶に選ばれた俺は他の生徒より2時間ほど早く登校した。色々あるらしい。 それよりこの学校はなんというデカさなんだろう。京介が受けるからという理由で下調べも何もせず受験したのだがまさか全寮制男子校だとは思わなかった。しかもお金持ちの家の子が多いだなんて聞いていない。俺は全教科満点合格なので特待生扱いで入学金免除の学費半額なんだとか… とりあえずは家計への負担は減らせたわけだ。俺の家は普通の家庭なのでお金持ちのお坊ちゃんが通うような学校に行くのなんてもってのほかなのだが、一年登校拒否した俺が行きたい高校があると言ったもんだから親は大喜びで受験させてくれた。 そんなわけで俺は無事に京介と同じ学校で楽しいスクールライフを送る事ができるわけだが学校がデカすぎてビビっているのである。このデカい門を入って良いのか、駄目なのか、いや、入らないと学校にいけない。 「君、さっきから校門の前でずっとウロウロしてるけど入らないの?」  校門前で中に入るのを躊躇していると背後から唐突に声を掛けられた。 振り返ると中性的な顔立ちのスラッとしたイケメンが立っていた。背は俺より高いが髪がもう少し長かったら女性と間違われることもありそうなイケメンというよりは美人さんって感じの人。 「わぁ!!えと、俺今日この学校で入学式なんですけど…」 「新入生か。それにしても君来るの早すぎない?」 「えっと、俺…なんか挨拶に選ばれちゃったみたいでこの時間に来いって言われました。」 「挨拶?もしかして君が噂の全教科満点君!?」 「はい。如月愛弥と申します。」 「まなみ…?女の子みたいな名前だね。どんな字書くの?」 「LOVEの愛に弥勒菩薩の弥です。」 「LOVE……弥勒菩薩…」 「です。」 「なんか…チョイスが微妙だね。」 美人さんはツボに入ったのかクスクス笑っている。美人は何しても様になるなぁ。 「…で、君はこれからどこに行くの?うちの学校割と広いから迷うかもよ?」 「えっ!?迷うほど広いんですか?とりあえず職員室に来るよう言われてます。」 「ふぅん。わかった。じゃあ職員室まで連れてったげる。」 「いいんですか!?」 「勿論だよ〜!俺、可愛い子には優しいからね。」 「可愛い…?いや、俺は別に…」 この人は俺を馬鹿にしているのか?可愛いなんて俺に似合う言葉ではない。陰でブスと言われ続けていた俺に可愛いなんて変わってる人である。多少まっしになったとはいえ、可愛いはあり得ない。ブスならわかるが可愛いは本当にあり得ない。 「それより君、なんでうち学校に来たの?うち美人もイケメンも多い方だけど男子校だよ?君レベルの容姿だったら共学の方が楽しめるんじゃない?」 「俺実はこの学校が男子校って知らずに受験しまして。」 「え〜!そうなの!?それは災難だったねぇ。」 「災難…ですかね…?」 それより俺レベルの容姿だったらってどういう事だ?俺レベルのブスはこんな所に来るなって事なのか? 「男子校って知らずに受けたって事はうちの学校のこと調べないで受験したの?」 「まぁ、そういう事になります。」 「なんで受験したの?」 「なんで……えっと、俺の幼馴染みがここ受けるって知ったからです。」 「幼馴染みを追いかけてきたって事かな?」 「まぁ、そうなります。俺アイツ以外友達いなかったんで…。」 「えぇー!?嘘でしょ!?お友達っていうか寄ってくる人多かったでしょ???」 「寄ってくる人…?いや、幼馴染みに寄ってくる人は多かったですけど俺は本当に友達いなくて…」 「みんな見る目なさすぎじゃない?それか、話しかけづらかったのかな?」 「そうかもしれません。」 ずっと京介にベッタリだったしブスのぽっちゃりだったもんな。話しかけづらいというか話しかけたくないが正解だな。 「じゃあ俺が2人目の友達になっていい?」 「え?」 この人は綺麗な顔で何を言い出すんだ?こんな綺麗な人と俺は友達になれるのか?ちょっとばかりダイエットと自分磨きしただけのブスとこんな綺麗な人が? 「ダメかな?」 「えっと…寧ろ俺みたいなのといいんですか?」 「みたいなのって何?こんな可愛い子とお友達になれるなんて光栄だよ!」 「あの、可愛いって誰の事ですか?」 「愛弥くんの事に決まってるじゃん。」 「俺…」 「そう。友達になってくれる?」 駄目だ。この人目が悪いんだ。きっとそうだわ。可哀想な人だ。 「じゃあ、俺で良ければ…」 「やったー!ありがと!自己紹介まだだったね!俺、新條湊(しんじょうみなと)。2年生だよ!宜しくね。」 「新條先輩、宜しくお願いします。」 「だめだめ!湊って呼んで。」 「湊…先輩。」 「先輩もいらないんだけど。まぁ初日だしこんなもんでしょ。よろしくアイちゃん!」 「アイちゃん…?」 「愛弥くんの漢字!愛なんでしょ?だからアイちゃん!!まなみんの方が良い?」 どっちもすこぶる嫌だ。拒否権は無さそうだけど。 「どっちでも良いです。」 「ん。じゃあやっぱりアイちゃん!」 「はぁ。」 さっきからこの人のペースに巻き込まれているきがする。 「アイちゃん、ここが職員室だよ。」 気が付くともう職員室の前に来ていた。 「ちょっとまっててね………失礼します。先生!新入生代表挨拶の如月君きましたよ~!じゃあ俺はここで!またね。」 しかも湊先輩は先生まで呼んでくれた。優しい先輩だ。また会う事があるのだろうか…?湊先輩の後姿を見送っていると職員室のドアが開いた。 この学校はイケメンしかいないのか?先生といつよりどこかのバンドマンのような風貌の男が出てきた。少し長めの黒髪は後ろでくくられておりセクシーな感じだ。職員室から出てきたのだから先生だろう。 「お前が如月だな。へぇ…全教科満点っていうからどんなガリ勉野郎かと思ったが…コイツは驚きだな。」 「如月愛弥です。宜しくお願いします。」 「お前、気をつけろよ?」 「え?何をですか?」 「まぁアレだ…色々気をつけろって事だよ。」 「色々…」 「新入生代表挨拶の件、説明するからこっち来い。」 「あ、はい。」 そう言うとセクシー先生(名前知らないのでそう呼ばせてもらう)はさっさと歩きだした。 「以上で説明は終わりだ。なんか質問あるか?」 「いえ。大丈夫です。」 「まぁ適当にやりゃいいから。」 「人前に立つの得意じゃないので緊張しますけど、頑張ります。」 「そんなナリしてんのにな。」 「どういうことでしょう?」 「これは…無自覚かよ。」 「無自覚?……あ!自覚はあります!!俺なんかより京介とかの方が挨拶向きの容姿ですよね。あっ、京介っていうのは俺の幼馴染みでおんなじ新入生で…」 「お前それ本気で言ってんの?」 「勿論です。俺のような中の下のような容姿の人間より京介のような上の上の容姿の人間の方がこういった役に向いてると思います。」 「お前は自分の容姿を中の下だと思ってんのか?」 「はい。前まで下の下でしたが努力の甲斐あって姉に中の下ぐらいにはなったと言われましたので。」 そうなのだ。一年後の俺をみて姉は、中の下ぐらいにはなったんじゃない?と言ってくれたのだ。クラスの大半からは下の下だと陰で言われていた俺がだ。しかも身内の姉に言ってもらえたのだ。俺の姉は京介曰く美人らしいが俺は毎日見てるのであまりよくわからない。京介が言うからそうなんだろうな程度だ。その姉に認めて貰えたので自分で中の下だって言うぐらい許してほしい。 「お前で中の下…?」 「えっと、いけなかったでしょうか?」 「それ、本気で思ってんのなら驚きだわ。」 なんだそれ。やっぱり下の中ぐらいにしとくべきだったか?次からそうしよう。 「この容姿で性格もまぁ……なら…これは……だろうな…」 「へっ?今なんて言ったんですか?所々聞こえなくて。」 「気にすんな。こっちの話だ。じゃあそろそろ他の奴等も登校してくる時間だからクラス行っとけよ。お前は1-Sだぞ。」 「1-S…ありがとうございます。」 「じゃあな。」 セクシー先生は職員室へ帰って行ってしまった。そして俺は結局先生の名前を聞かなかった。 教室に着くと半分近くの生徒が集まっていた。もう所々グループが出来ているところもある。京介はいない。 しまった…京介と同じクラスになれる保証なんて無いのに同じクラスになれなかった事を全く考えていなかった。それどころか寮は2人制だときいた。同室の人と仲良くなれるだろうか…。 憂鬱な思いで黒板に貼ってある席順を見て席へ向かった。俺の席は隅っこの1番後ろだった。そして席順にもやはり京介の名前はなかった。クラスが離れたのだ。 席について一息ついたところで初めてクラスのみんなが俺の事を見ていることに気付いた。なんだ?やっぱり髪型が似合ってないとか?怖すぎる。しかもみんな俺と目を合わせない。これは前途多難すぎる。1秒でも早くこの居心地の悪い空間から解放されたかった。俺はただただ下を向いて座っていた。 「君高等部から?」 不意にいつの間にか来ていたらしい前の席の子が俺に話しかけてきた。助かった。 「あ、えっと、高等部からって…」 「知らないの?ここエスカレーター式だから中学からの奴等が半分ぐらいなんだぜ。」 「そう、なんだ。知らなかったです。」 「見ない顔だなって思ったんだけどやっぱそうか! 俺、加賀美悠真(かがみゆうま)。宜しく!」 「如月愛弥です。宜しくお願いします。」 「愛弥か。よろしくな!俺、中学からここだから何かわかんねぇ事あったら遠慮なくきいてくれ!」 「ありがとうございます。」 金髪でチャラそうな人だけどめちゃくちゃ良い人だ。おまけに顔が良い。本当に助かった。 「愛弥はさ、頭が良いの?それとも家が超金持ち?」 「えっ?どういうことですか?家は普通の家庭ですけど…勉強は得意だと思ってます。」 「あーー、じゃあ学力かな。この学校のS組はさ、めちゃくちゃお金持ちか頭が良いかもしくはその両方じゃないと入れないんだよね。まぁだいたいどっちも兼ね揃えてる奴ばっかなんだけどね。」 「ヒェ、とんでもないとこに来てしまった。」 「とんでもないとこ?」 「あ、いえ、なんでもありません。」 危ない危ない。つい心の声が漏れてしまった。それにしてもこのクラスはみんな金持ちで頭が良い、いわゆるエリートクラスなわけなのか。居心地悪すぎない? 「愛弥は勉強がめちゃくちゃ出来るからこのクラスなんだな!S組に外部生ってめちゃくちゃ珍しいんだぜ。すげぇな!入学試験何点だったんだ!?」 「あ、それは…満点。」 「満点!?」 「う、うん。先生に満点だったって教えてもらったので。」 「うわー!そりゃもうSしかねぇな!俺も勉強は嫌いじゃないけど苦手な教科もあるから教えてくれよ。」 「加賀美君が俺なんかで良ければ。」 「マジで!?やったー!助かるぜ!!」 加賀美君はとっても明るくてノリの良い人だ。京介とは違ったタイプのイケメンでモテそう。京介は優しいけど物静かなタイプだから加賀美君みたいな元気なノリの人と俺は初めて喋った。そういえば朝会った湊先輩も柔らかい雰囲気だけどよく喋る人だったなぁ。俺が喋らなさすぎるだけ? それから加賀美君は俺に色々なことを教えてくれた。加賀美君と話をしているときも少し周囲からの視線は感じていたが、さっきの話で珍しい高等部からの入学生とイケメンの加賀美君が喋ってるからだろうと納得した。教室に入った時の視線もそれが理由だったのか。しかし初日に色々教えてくれる優しい人に出会えて本当に助かった。 そうこうしているうちに校内放送で新入生は式典が行われるホールへ集まるよう指示された。高等部からの入学者が少ないため入学式はさほど盛大ではないというのは加賀美君に先程教えてもらった。なら俺の挨拶とかいらないんじゃ…?とか実は思っている。でも挨拶で京介に俺がこの学校に入った事を伝えられるのは好都合だ。俺は京介にこの学校を受けたことも受かったことも言っていない。親伝いで聞いているかもしれないが…俺は京介が受かったことを知っていたけど。 入学式は滞りなく進んだ。校長の挨拶、担任の紹介、生徒会会長の挨拶。S組の担任はあのセクシー先生だった。どうやら中学からの持ち上がりらしい。そしてまた名前を聞くのを忘れていた。 生徒会会長の挨拶はちょっとなんというか今までにない感じだった。会長のファンが大勢いるらしく、なんとファンクラブまであるのらしい。生徒会役員以外にも人気のある生徒はファンクラブがあるというのも加賀美君に教えてもらった。聞いていたのでそこまで驚きはしなかったが会長挨拶のときの歓声は凄まじいものだった。 そしていよいよ俺の番である。正直あの後にやるのは嫌でしかない。周りの生徒も会長の余韻に浸っている。逆にみんなそんなに興味ないならそつなく終われる気もする。 俺の名前が呼ばれた。 返事をして檀上に向かう。ざわざわしていた生徒たちが少しずつ静かになっていく。 なんでだ?もうちょっとざわざわしていてくれていいのに…。 檀上で挨拶をしている間はひそひそ声が沢山聞こえてきた。また悪口でも言われているのだろうか。挨拶が無事終わったとかはあまり覚えていない。みんなの視線が怖すぎてそれどころではなかった。壇上から帰るときもみんなが僕をみていた。怖すぎる。 その時、僕をみてくる生徒の顔に見覚えある顔をみつけた。京介だ。しっかり目が合った。やっぱり京介は顔が良い。久々に京介の顔を見られて俺は嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。俺はつい京介に笑いかけてしまった。 周りの生徒が僕が笑いかけた先を一斉に見る。京介に一斉に視線が集まる。僕と京介は一年ほどまともに顔を合わせていなかったんだから喜びを抑えきれないのは仕方ない。京介も久々に僕に会えて喜んでくれるかなぁとか思っていたが…甘かった。なんと京介は俺が笑いかけた瞬間思い切り顔を逸らしたのだ。 周りがざわつく。 そして冒頭に戻る。俺は幼馴染に嫌われた…。

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