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第2話 放課後

 「教えてあげよっか?」そう囁かれた。  いたずらっぽく笑っていたけど、もうズボンのベルトは外され、チャックはおろされていた。   いつそうされたかわからなかった。  手慣れすぎてた。  2つ年上は十分大人だった。  カッコイイ先輩に憧れてたから拒めなかった。  そこを服の上からやわやわと揉まれて、気持ち良かったから余計に。  「キスからね」  先輩に耳もとで囁かれ、勃起した。  クスリと笑われ、真っ赤になった。  誰も来ない旧校舎の空き教室で、キスから教え込まれた。  初めて知る人の舌は熱くて・・・気持ち良かった。  また知らない間にボタンをすべて外れてた。  シャツをめくられ、ここでも気持ち良くなるんだ、と胸を吸われた。  そんなモノがついてることも気にしてなかったふたつの乳首が股間を疼かせることを知った。  舐められた。  舌が熱い。  噛まれた。  歯の堅さに何か芯がそこに生まれて、そこを刺激されると声がでて、身体がおかしくなる。    「変・・だ」  と伝えたら、先輩がそれは気持ち良いんだよ、と笑った。  吸われ、指でも潰され回されて、出る声を止められなくなった。  吸われると先輩の頭を抱えて、髪の間に指を立ててその刺激に甘く耐えた。    濡れきってそそり立つ性器は、もうすでにズボンや下着をずらされて露わにされていた。  手馴れすぎるにも程がある、と思った。  先輩は笑って、そこを指で扱いてくれた。  自分でするのはまったくちがう指遣いに喘いだ。  恥ずかしいくらい呆気なくイって、真っ赤になった。  しかもあまりの気持ち良さに大声で叫んでしまったから。  先輩は唇に指を立てて、笑った。    「多分誰も来ないけど、静かに、ね?」  その余裕な顔がくやしかったし、カッコイイと思った。  繋がることを教え込まれた。  ワセリンのチューブを取り出し、指に塗り、そこに指を入れられた時は怯えた。  でも、背中にキスを落とされ、覚えたばかりの胸で感じる甘さを指で思い出させられ、逃げようとする身体を押さえ込まれた。  「気持ちいいよ、ね、だから・・・」  優しい声が逃げる気持ちを奪った。    指はそこでもイけることを教えてくれた。  中のそこを擦られたなら、そうなることを。  もう大声を出さないように、唇を塞いでキスしてくれたから、怖さが勝る快楽にも耐えられた。  先輩のそれが押し当てられた時は、さすがに怖くて泣いたけど、そこはいつもは優しい先輩が許してくれなかった。  強く腰を掴んだ指が怖いと思った。  押し込まれて声を漏らしたのは痛かったから。  引き裂かれると思った。  でも泣いていたら、何度も優しくキスしてくれて、それだけで、もう痛くても怖くても良いかと思った。    「ごめんね、ごめんね」  優しく囁かれ、動かれた。  唇を噛み締め、耐えた。  先輩の顔が・・・見たことない顔で、怖いような、怒ったような、真剣な顔で。  それを見るのは痛いことより、何故か・・・嬉しかったから。  でも、痛いのに、そこには何かがあって、何かは痛いのより怖くて・・・  先輩が前を扱いてくれたのもあって・・・それでもイったのだった。  でも怖かった。    何かが本質的に違っていた。  人とつながることは快楽よりも怖かった。  なのに、怖かったのに、「また、しようね」と優しくキスされて言われて断れなかった。  放課後、また誘い込まれて、教え込まれる。  溺れていく。    「お尻もう気持ちいい?」  囁かれ、何度も頷く。  背後から突かれることが好きになる。  前を弄られるよりも、ここで奥まで突かれることが。  先輩は笑って、もっと奥があることを教えてくれた。  こじ開けられ、崩れ落ちる身体を捕まえて、そこで先輩は支配した。  生でそこで出されて達する。  悲鳴は声にならなかった。  そして、もう射精しなくてもイけることを知る。    「上手」  そう誉められて泣く。      安心して泣く。  怖い快楽にもだから耐えられる。  先輩だから。  そして、涙を拭われて、もっと感じることを教えこまれた。  何度でもそこでイケることを。  可愛いと言われて何でもする。  先輩のそれを咥えて、必死で舐めて、喉奥まで使って扱けるようになる。  髪を撫でて褒めてくれるから。  そして、興奮して自分の喉を犯す先輩の姿だけでイけることを知る。  自分からも求めて動いた。  先輩に跨がり後ろに咥えこみ、淫らにそれを求めて動いた。    先輩が嬉しそうに笑うから。   先輩が上からのしかかる時も、背後から突く時も、欲しがって乱れて、鳴いた。  声は先輩の唇が塞いでくれた。  好きな体位を言わされる。  背後から一番奥まで突かれるのが好きと言う。  奥をこじ開けられて、虐められるのが好き、乳首だけでイかされるのが好き、と言う。  何でも言う。  先輩が喜ぶから。  強請る。  脚を広げ、言われるがまま、自分で弄り、達して、それでは足りないと泣く。  欲張りになればなるほど先輩が喜ぶから。  ・・・冷たい床の上で乱れつづけた。  先輩は「最高」と笑う。  優しいキスにどんどん溺れていく。  でも、全部放課後のこの教室の中だけ。  そこ以外では、何もなかったように先輩は自分を扱う。  ただの優しい先輩になる。  ここでのいやらしさは消えてしまう。  先輩と会わない日になんとなくあの教室へ向かった。  ちょっと寂しかったただけ。  毎日会えるわけじゃない。  会えるのはたまの放課後のあの教室だけだから。  そして、行った教室で先輩は女の子を抱いていた。  同じように。  「気持ちいい?」  そうささやいて、髪を撫でて・・・繋がりながら女の子の柔らかい胸を吸っていた。  先輩は顔をあげてこちらに気づいた。  先輩は女の子の上にのしかかったまま、こちらを困ったように見た。  でも、止めようとはしなかった。  更に腰を進めて女の子を喘がせた。  気配に気付き驚く女の子に優しく囁いた。 「大丈夫、気にしないで」  キスして、優しく腰を動かし、泣かせ、言いなりにしていた。  「可愛いよ」  そう言って、優しく胸を齧れば、女の子は何もかも忘れてしまう。  知ってる。  そうされてきたから。  女の子と同じように。  走って逃げた。      追ってはくれないのだと知った  次の日、先輩は当たり前のように来て、当たり前のように誘う。  やはりその目も声も優しくて。  泣きながら、教室に、それでも先輩が待つ教室に向かう。  「ごめんね」優しく言われてキスされて、やはり身体がとけていく。   ボタンを外す指を拒めなかった。  ズボンを下ろされ、咥えられたら、いつものように声を殺して感じるしかなかった。  欲しいと泣いた。全部欲しいと。  先輩は「ごめんね」と謝りつづける。     くれないのだとわかって、胸がえぐられた。  でも、身体は満たされる。  気持ち良くされる。  先輩の指も舌と唇も気持ち良い。  その目も優しい。    声も優しい。  でもくれないのだ。  泣いた。    でも、熱いそれは中を溶かしてくれる。  ここからは優しいだけじゃない時間になる。  どうせなら、壊してくれたらいいのに、そう思う。  「逃がしてあげたいから」  その声は優しい。  激しく突き上げられているのに。  「早く逃げてね・・・逃げられるうちに」  意味がわからないまま、痛む胸をかかえながらドロドロに溶かされていく  逃げてね。逃げ出してね。  できるだけ早く。  そう言うくせに先輩の指はとても優しい。  唇も舌も。    大切なものみたいに扱ってくる。  「他の人とするの?」  問うと頷く。  「誰とでもする。嫌なら逃げて」  そう言うくせに深くつながってきてまるで離さないかのように奥まで貫く。    その目は熱い。  「可愛い」  その声も熱い。  「逃げてね。早く。大人になってオレから逃げてね」  そう囁かれる。  でも、抱きしめる腕は強くて苦しい。  逃がさないように抱きしめてくる。  苦しくて苦しくて、胸が痛くて、気持ちよくて、しがみつきながら泣く。  この教室にとじこめられていたい END

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