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第10話

『真空が僕を探してる。』 その言葉をすぐに理解できずに何も言えないでいると 「ちょうど真空も冬真のこと探してたし、この番号を教えればいいよね?」 と言われ一気に現実に引き戻された。 「やめて!」 大声を出したからか動転してるせいか心臓がバクバクと嫌な音を鳴らす。 《ちょっとした冗談じゃないか。》 そう言ってくすくす笑っているが絶対に冗談なんかじゃない。 中学の時だってそうだ。 一番周りに知られたくなかったことがこいつにバレて、それで脅された。 真空に番号がバレるくらいなら湊の要求に素直に従ったほうがマシだ。 「…わかった、写真は渡す。 だから絶対に真空とそれ以外の人にもこの番号は教えないで。」 《そう言ってくれると思ったよ。 もちろん、約束はちゃんと守るから安心して。》 脅しておいてこの言いようには流石に頭痛がした。 そしてその後、今週の土曜日に写真を渡すということと時間を決めて電話を切った。

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