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第9話
写真がほしい。
その言葉に頭がフリーズする。
「は……なん、で。」
絞り出した声は引きつっていて聞き取りづらかったかもしれない。文字
それでも僕は言葉を続けた。
「中学のときはッ
美術部の作品で行き詰まったからって言われて渡したんだ!
もう辞めたんだろ⁉なら…!」
《辞めてないよ。》
辞めてない。
僕の言葉を遮って告げられたその言葉を頭の中で繰り返す。
なんでだよ、こんなもの描いてても意味無いって言ってただろ。
辞めるって、言ってたのに。
《なんでって思ってる?
ふふっボクは自分が楽しめることをしてるだけだよ?》
そう可笑しそうに笑って答える湊。
「……だとしても嫌だよ。
あの頃と違って僕が君に脅される要素なんてどこにもない。」
そうだあの頃とは違う。
だから会う必要なんてない。
その事実にホッとしていると、湊の言葉で気持ちが一気に突き落とされた。
《脅しだなんて人聞きが悪いなぁ。
あーでも、そうだね。
真空が冬真のこと探してるって言ったら協力してくれるかな?》
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