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第1話
僕は初めて君を見た瞬間、恋に落ちた。
君の横には可愛い女の子がいて、君は楽しそうにその子と話をしていた。
僕はゲイではない。今まで何人か女の子と付き合ってきたし、今までの僕なら君の横にいる女の子に目が走ったと思う。
だけど僕は君が目に入った瞬間、君から目が離せなかった。
君は背が高めで、170の僕より5cmは上だと思う。
スラッとした体型に、どことなくあどけなくて整ったその顔立ちは、可愛いと言うよりは美形だと思った。
そして、女の子に微笑む優しく温かい笑顔は、僕の目を奪って離さなかった。
こんな衝撃的な高校入学になるとは、この瞬間まで考えた事もなかった。
この日、僕は初めて男の子に恋をした。
認めたくない事実だが、心は僕を決して許してはくれなかった。
暴れ狂う心臓。そして恐怖。何故こんな事になった?僕の心!僕の気持ち!
どのくらい目を奪われたのか…。ハッと我に返って目を逸らした。
それから自分の教室に向かう足を急がせた。
心臓が
破裂しそう。苦しい。一目惚れってあるんだね。しかも同性って。
こんなにドキドキして、こんなに自分に恐怖を感じた事があっただろうか?
そして、またしても神様のイタズラは続いた。
君と同じクラス!しかも席隣りって、僕、人生呪ってもいい?
誰にもバレないようにしなきゃ!
こんな気持ち人に知られたら、ここには居られなくなる。
始まったばかりの高校生活が終了してしまうじゃないか!
まだ、君も緊張してこちらを向くこともない。僕も決して君を見ない。絶対見ない。
この気持ちを早く封印して、無事高校生活を終えないと、僕は君にも周りの人にも気持ち悪い奴とレッテルを貼られる。
それだけは避けなければ!
そう、僕の心との闘いはこの日からスタートしたんだ。
そして君の名は、大宮幸治…
僕は山崎光星
同じクラス。隣の席。
早く気持ちを切り替えて、この感情を押し殺さないと、俺、人生終わる気がする…。
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