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第22話
僕はそのまま道端で腰を落としてぼーっとした。
ゆっくりと思い返す。
君はびっくりしていたが、目に恐怖感は持ってなかった気がした。
そして、ゆっくり君の顔に僕の顔を近ずけた時も抵抗しなかった。
キスしてる間一切君は抵抗しなかった。
そして首に唇を這わせた時もボタンを外した時も抵抗しなかった。
あの状況なら何をされるかさすがに気付いたはずだ。
でも君は涙を流すまで、それに気が付いて僕が離れるまで、じっとしていた。
諦めていたのだろうか?
それとも、僕を拒絶して僕を傷つけることを恐れたのだろうか?
なぜ君は抵抗しなかった?
答えが分かったところで、結果は同じだ。
僕のしたことは君の望んだこととは全く違う。
恐怖を感じて無いように見えて恐怖でいっぱいだったのだろうか?
明日君が学校に来なかったら?
その恐怖が僕を襲った。
どうしよう。追い詰めた可能性は非常に強い。
かといって、こんな状況で「大丈夫?」
なんて聞けない。
大丈夫じゃないのははっきりしてるのだから。
僕は頭を抱えて苦しみ喘いだ。
取り返しのつかないことをしてしまった。
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