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第13話

 そこで見たのが汚い部屋で、ボロボロになった愛斗だった。  きっと覚えてはいないだろうし、事実は隠して貰ったけれど、あのとき警察へ通報したのは隣人などではなく明斗だ。  到着を待っている間、腕へと抱いた愛斗は小さな体をガタガタと震わせていて…… 怯えているのは分かったけれど、どうすればいいか分からなかった。  でも、いつも女にしてやるみたいに額へと軽くキスを落とせば、安堵したように微笑みながら、自分に体を預けてきた。そしてその瞬間、明斗の心は言いようのない高揚感に包まれた。  繋いだ指を離さぬよう必死に握る健気さに、愛情なんて言葉では足りない深い情が、心の中へと芽生えたのだ。  高校生だった明斗には、母親の手前もあって引き取ることが出来なかったが、それから四年が過ぎた後、手に入れることに成功した。そして、それから愛斗を思う感情は加速度を増して大きくなり―― 。 「愛してる」 「あっ…… あ」  甘い声音で囁きながら、慣らしもせずに己のペニスで愛斗のアナルを貫いていく。散々穿った中はすっかり自分の形になっていて、そのことだけで昂った明斗は達しそうになるけれど、もっと奥へと挿入りたいから感情を抑え射精を堪えた。  きっかけは、愛斗が学校へ行きたいなどと言ったからだが、それがなくてもいずれこうするつもりだったから、後悔の念は微塵もない。むしろ、追い詰めるほどに艶を増し、明斗へと縋る愛斗の姿が愛おしくて仕方なかった。 「気持ちいい? 」 「う…… きもち…… いい」  対面座位で愛斗を深く貫きながら囁くと、縋るように背中へと細い腕が回され、そこに爪を立てられた。  ――やっと、手に入れた。  愛斗の世界に存在するのは自分一人だけでいい。  その為に、愛斗を引き取った全ての家へと金を払い、彼を孤立させるよう裏から手を回したのだ。 「マナも、俺のことが好きだろう? 」  そう尋ねてから、喉の辺りへとチュッと音を立て吸いつくと、もう出すものの無くなった愛斗は空で極めてしまったらしく、ヒクリヒクリと痙攣しながら細い体を弓なりに反らせる。 「ア…… アウッ! 」 「返事は? 」  促すように腰を打ちつけ萎えたペニスを緩く扱けば、薄紅色の濡れた唇が喘ぐように開閉し…… 虚ろに開いた瞳の中へと明斗の姿を映した愛斗は、フワリと綺麗な笑みを浮かべ、舌足らずな甘えた声音で「すき」を何度も繰り返した。 end

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