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第1話

 「嫌や、あかん・・・」  少年は言う。  でも、そんなのは聞いてもらえない。  ズボンの中に指が入ってくる。  下着の中に手を入れられ、熱い指が少年のソレを握る。   「もう勃ってるやん・・・期待しとったんやな」  クスリと耳元で囁かれ、顔が赤くなる。  またこんなところでされてしまうのか。  いやらしくその指が青年のモノを扱いていく。  「嫌・・や、止めろや・・・アホ」  あるだけの理性をかき集めて、その指を止めようと手を伸ばしたその指を掴まれた。  「嫌、指は止めて・・・」  頼むけれど、聞いてくれないことはわかっていた。  そして、指はソイツの舌で舐められた。   熱い舌が指の先から根元までを何度もなぞるように舐められる。  指を舐められるだけなのに、ゾクリとした感覚か背中を駆け抜ける。  指を一本づつしゃぶられる。    身体が震えた。  こんなことで感じるのはおかしいと思うのに。  身体が震えるのを止められない。  直接しゃぶられているかのように、少年のペニスが液を垂れ流す。  今度はその液が出る穴のあたりを指と道場に指で直接こすられ、思わず声が出た。  「・・・嫌、や。あかん・・・こんなんあかん・・・」  少年は喘ぐように言う。  「そう、気持ちよくないんか。ほんならもっとオレ、頑張らなあかんなぁ」  ニヤリとソイツは笑った。  指に歯がたてられた。    「はっ」   思わず声が出る。  いつも、ソイツが指をなめたり、しゃぶられたりしているから、もうそこが感じる場所にされてしまった。    こんなん嫌や・・・。   少年の思いとは別に、指を噛まれだけで、少年のそこは我慢出来ないかのように液をこぼし続けている。    「気持ちええやろ」  耳元で囁かれると身体が震える。  「ようないわ、アホ」  それでも少年は言う。  「そんな顔してよう言うわ・・・」  ソイツはため息をつく。   どんな顔かは自分ではわからない。   指が丹念に舐められる。  快感が皮膚から呼び起こされる。  吸われ、甘く噛まれる。  甘い痛みが脳を焼く。    ビクン  身体が震えた。  指だけでこんなに気持ちいい。       「はぁっ」   思わず呻く。   今度はペニスを扱かれる。  強く扱かれ、親指で穴のあたりを弄られる。  それは執拗で、気持ち良さを強引に引き出されてしまう。    「あかんて、あか・・ん・・やめ・・」  少年は泣いた。  それでもソイツの手の中に吐き出してしまった。  指をしゃぶられ、前を扱かれ、少年はイカされたのだ。   「もう、やや」   泣いてるのに、それでペニスをいじるのも、指を甘く噛むのも止めてくれない。  ビクン、ビクンと身体は震えてしまう。    「オレのもしてや」  囁かれた。  「嫌や、嫌や!」  首を振る。  当たり前だ。  イカされたのも合意じゃない  これ以上はごめんだ。  「せえへんかったら離したらん。人来るかもしれんなぁ、そんなんしてる間に授業終わるで。前濡らして勃てて指舐められてるとこ見られるで」  囁かれた。  休み時間にコイツに捕まるのが嫌で、授業途中で保健室に行くと言って逃げ出したのに、捕まってこうなってしまったのだ。  こんな場面を誰かに見つかるのだけは嫌だ。  ここは旧校舎の屋上に行く階段で、ここは不良達の昼休みのたまり場で。  連中にこんなところを見つかったならと考えるだけで怖かった。  コイツもその連中の一人なのだけと。  「なぁ、・・・気持ち良かったやろ?オレもしてや」  ソイツは自分でソレをズボンから取り出し、少年に握らせた。  「・・・咥えてくれてもええで。オレはお前の指でされるん方好きやけど」  髪を撫でられ囁かれた。  首を振る。  嫌だ。    絶対嫌だ。  咥えるなんて嫌だ。    加えるよりは、マシだった。  自分のよりはるかに大きな質量のそれを、少年は懸命に扱き始めた。  早く、早くイッてもらわないと、終わらないから。  「下手くそ・・・」  愛しげにソイツは言った。  無理にさせといてあんまりや、少年は思った。  「自分でもあんまりしてへんかったんやなぁ・・・オレがしたったみたいにしてみ?」  髪を撫でられ、囁かれる。  懸命にされたことを思い出し、扱く。  先の穴のあたりをこすり、強く握ったりしてみる  「上手やで・・・」   ソイツが少し余裕のない声で言ったから、そのまま頑張る。  やられっぱなしなのは、自分だけ泣かされるのは嫌だ。  言われるがまま、扱いた。  「  」  名前を呼ばれた  イク瞬間、強く抱きしめられた。  手の中に白濁が吐き出された。  ソイツが用意していたウエットティッシュで拭いてくれる。  拭いた後、一本ずつその指にキスされた。   それだけで身体を震わしてしまう自分が、少年は嫌だ。  授業が終わるチャイムに慌てて身支度を整える。  ソイツはコンビニの袋にいろいろ汚れを拭き取ったものを片付けていた。  それを見たら真っ赤になる。   コンビニの袋をひっつかんで、立ち上がる。  誰にも見られないうちに処分するんだ。  「また、な」  ソイツが笑った。  「絶対嫌や!!」  少年は叫んだ。  そして走っていく。   「・・・可愛い」  ソイツはそれを笑って見送る。    あれはオレのもんや。  そう決めていた。

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